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喫茶店の書斎から

コーヒーカップの耳

今読んでいる本。

『生きている源八』(山本周五郎著)。

時代小説は古びないからいいですね。

病院の待ち時間や、必要な読書の合間に気軽に読むには適しています。

この本は周五郎がまだ30歳前後に書かれたもの。

熟達する以前なのでしょうが、さすがに物語を作るのは上手いものです。

娯楽小説として軽い気持ちで楽しめます。

中のいくつかは例によって妻に読み語り。

「この話、テレビドラマになったらいいのにね」などと言いながら。

 

 

今村さんの本。『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

 『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。

【 昨日の藤井聡太七冠対伊藤匠叡王戦 】

 

わたしもアベマで見てたのですが、本当に面白い終盤戦でした。

藤井七冠の2八角引きから、後に相手の飛車を成らせてしまうという、解説のプロ棋士も驚きの手順。

伊藤叡王は蟻地獄に引きずり込まれるように落ちて行くという、藤井の恐ろしさが出た将棋でした。

 

今村さんの本。『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

 『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。

 

「六甲」10月号の連載記事、野元正さんの「文学逍遥」47回です。

今回は村上春樹の『風の声を聞け』です。

わたしの住む西宮がいっぱい出てきます。

「蘆原橋」もよく知ってます。

 

これは今村さんの「昭和文人の手蹟」37。

井伏鱒二の巻です。

 

今村さんの本。『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

 『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。

 

短歌誌「六甲」10月号です。

同人の方の短歌をわたしの独断で一首ずつ上げます。

 

田岡弘子さん

時間とふ正確無比なるものありて私の日日を支配さるるよ 

        

牧野秀子さん 

入道雲いいえドラゴンのたうちて地上へ向けて熱気吐き出す       

 

生田律子さん

還暦を過ぎし息子を見ておれば少し腰の曲がりし恰好           

  

西村紀子さん

看護師は綿棒持ちて傍に来ぬ鼻の検査をなさるるままに          

  

中島輝美さん

おいしい料理時に持ちくるる孫を見てしみじみ思ふ我も老いしと       

 

吉本聆子さん

仏間には冷房のなくお詫びして棚経いただくやさしき和尚に          

   (この歌、まさに今年のわたしとこでした、その日に限って故障していたのです。)

 

南操さん

御墓の近所の人達と交わす但馬弁やさしき語りに心開きて            

   (偶然、昨日但馬弁について拙ブログに書いたとこでした。)

 

石原智秋さん

なぜここに入れているのかわからない探し物はこんな所に          

 

小西久代さん

先生から○をもらった筈なのに小犬のワルツがああ弾けません        

 

佐竹京子さん

毎朝の新聞小説を楽しみにしており暮しの小さな灯            

  

鈴木裕子さん

日に焼けた「やさしいライオン」ひらがなで母が書いた私の名前       

 

奥田充子さん

あの子の好きなニゲラ竜胆風船蔓供へて明日は二十七回忌           

 

阿部明美さん

暑き中荷物片付けるボランティアのマスクせし顔汗にまみれる  

 

向田憲子さん

「山脈」とふ歌集に我を探せども一首もなくて父は母詠む

歌を詠め父の遺言憶ひつつ続けて来られた二十二年を

 

黒川明子さん

盆近し蝉のコーラス聞くもよし耳にかぶさる亡き父母夫の声

 

加藤容子さん

線香のよき香りして手を合わす缶ビール二本も娘の供えいて

 

柴田三智代さん

仏壇の仏具の磨き順番に盆の準備をぼつぼつ為しぬ

 

岩本倭子さん  

実家にて父母兄妹と麻がら焚き提灯吊るして先祖を迎えた

 

小田弥生さん

いつもならちょっと悲しげな蜩の声未だ届かず汗を拭えり

 

繁田和子さん

盂蘭盆に娘や孫揃い賑にぎしこの声届くや亡き姑たちに

 

小林正子さん

仏前に参りて孫の「これ何なん」仏事について少し話しぬ 

    (この歌、好きです。)

 

山本サダコさん

わが足に転ばぬ事言い聞かせエスカレーター・エレベーターに乗る

 

深川妙子さん

「よろけ方普通じゃないよ」救急車呼ぶから夫に動くなと言う

今月の短歌は君で埋まりそう入院してから占領された

 

田中加奈子さん

孫三人息子娘ら賑やかにお盆休みを我が家で過ごす

 

近藤直美さん  

八月は孫らと過ごす時間増え嬉しいようなしんどいような

 

奥村幸子さん

ばあちゃんの修学旅行と銘うちて東北五県の名所を巡りぬ

 

磯川典子さん

真っ暗な家に上がってみたものの不安になってやっぱり外へ

 

川端充世さん 

ゲート出れば忘れてしまった国の名をコモンズというパビリオンの

 

佃象子さん

驚きぬ蝉の初鳴きそばの木に見上げて探す木漏れ日まぶし

 

西尾小百合さん

還暦の四十三年ぶりの同窓会旧姓名札で顔確認

 

 

『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

 『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。

 

 

方言というのはいいものですね。

先日妻の故郷出石から入ったFAXの放送が今朝あって聞いた。

 

 

早朝5時10分にアラームを設定しておいて。

念のため録音した。

10分足らずの番組だったが、加藤勉さん(元豊岡市役所職員で出石の観光ガイド)は、出石方言を交えながら出石のアピールを懸命にしておられた。

中でも特にわたしの印象に残った言葉。

話題の映画「国宝」のロケにも使われて人気が爆発している芝居小屋「永楽館」の説明の中で、

「お茶子さんという方が、おいでますけどね」。

この「おいでます」が実にいい。

やわらかな但馬弁の特徴がよく出ていると思う。

世の中、方言がだんだん使われなくなっていますが、淋しいことです。

方言には民俗学にも関連する貴重な文化が含まれていると思うのですが。

 

『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

 『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。

 

 

勉強堂書店さんから古書目録をお送り頂いた。

70ページ近くある充実した目録です。

興味を引く古書が沢山載っているが、わたしはもう手元に置こうという気にはなれない。

もっと若ければ欲しい本はあるが。

『日本盛 西宮酒造100年史』は特に気になるが、必要な時は西宮図書館にあるので辛抱。

この社史、平成5年発行だが、あのころに気があれば「喫茶・輪」の常連の社員さんに頼めば進呈してくださったはず。

大阪支店に余ったのがあると聞いたことがある。

この目録では8000円になっている。惜しいことをした。

 

本編目録とは別に写真版目録も同封されていた。

これがカラー版で楽しいのだが、その表紙に、「神戸っ子」2号~98号 欠有71冊というのが載っている。

昭和37年4月~昭和44年6月まで。

35000円。

創刊昭和37年だったんですね。

以来、今月10月号で769号です。

わたしは2002年7月号、494号から連載のページを持たせてもらっているが、毎月欠かすことなく書いてきた。

276回も書いたことになる。その間、何度か大病もしたが、なんとか。

今号は「タオルとプラッシー」と題して書かせてもらってます。

お読み頂ければありがたいです。

 

 

『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

 『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。

 

 

『始まりの木』(夏川草介著)を読み終える。

 

主人公は民俗学者。

少々ヘンコツ者。

その教え子の女子大学院生とが織りなす物語。

 

巻末に参考文献が載っているが、民俗学関連の本がズラリ。

これを見れば難しい話に思えるが、そうではなくユーモラスに話は進む。

 

何度も笑ってしまって、妻に読み語ってやったりした。

しかし、最後にこんな言葉が出て来て、それが大きなテーマ。

 

《これからは”民俗学の出番です”》

 

 

 

『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

 『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。