それ以来、ハンセン病について関心が。
で、昨日「トンカ書店」さんでこの本が目についたので購入しました。
塔和子さんの詩集『希望の火を』です。

彼女はハンセン病の詩人。
知ってはいましたがこれまで読んだことがありませんでした。
今まだ読んでる途中ですが、気になった詩。
「映像」です。ハンセン病の詩人の作と知って読むと感慨が。そしてこれは「旅」という詩。
この世の光に迎えられて
長い旅は始まった
母のひざから二歩三歩
生きる旅に立ち会った私の足
子どもの頃は隣の町へ
少し大きくなってからは
ハンセン病の診察のために
父に連れられ
福岡 東京 大阪と
各大学病院へ、それから
数知れぬ小さな病院へ転々と
受診の旅を重ね
つづまりは島の療養所におちついたが
そこは入ったら出られないところだった
思えばそこで五十年
黙々と日々を重ねて今日にいたった
そして
このたび「らい予防法」という囲いの壁は
とりはらわれ
天下晴れて自由の身となったこの喜びをだいて
どこへ旅をしようか
ここだあそこだ地の果てだ
思いは湧くがついて行けない体になった
けれどもまだ
果たし得なかった楽しい旅の幻影を
実現したいと
こんなにも希っている
身につまされます。