『誤植文学アンソロジー 校正者のいる風景』 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

昨日行った、神戸の古書店「トンカ書店」に関連して。

少し前に高橋輝次さんという人からFAXを頂いた。
そこに用件とは別に「トンカさんの詩集展示にはもう行かれましたか?」の添え書きがあった。
わたし気にはなっていたが忙しくて行けていなかった。
さらに昨日、高橋さんから別件で葉書が届いた。
あ、高橋さんというのは、創元社という出版社の元編集者さんです。
今はフリーの編集者。
で、先年出された『誤植読本』(ちくま文庫) が話題になった人です。

その葉書には、高橋さんが最近出された本『誤植文学アンソロジー 校正者のいる風景』について、「私の本、手元に一冊しかないので献本できず申しわけありません」と添え書きが。気の毒に、気を使って下さって。企画出版だから仕方ないですよね。
で、わたし新刊店で購入するつもりでいました。

さて昨日、時間の隙間を見てトンカさんへ行ってきました。
詩集展ということで、詩集がいっぱい並んでいたが、まあ、ほとんどと言っていいでしょう、自費出版の本なのです。世間的には無名人。
しかし一冊一冊には、著者の人生が重く込められているもの、あだやおろそかにはできないのですが…。
そんな中に一冊目にとまった本が。
これは詩集の棚ではないところで見つけた。

驚くなかれ、著者が「一冊しか手元になくて…」とおっしゃっていた新刊本である。
店主にお尋ねしたら、古書価格だった。
何というラッキー。

この本の一章を割いて、宮崎翁の文章が引かれている。
それに関してはわたしに多少の縁があります。
そして、高橋氏もご存知ない、ある面白いエピソードが隠されている。
それは、出し惜しみするわけではありませんが、いずれどこかに書きます。