

「お向かいさん」
なんだ、
そこにいたのか。
渡りに船(わたりにふね):
何かを望んでいる時や、何かで困っている時に、ちょうど都合よく、 その場に、必要なことが起こるたとえ。
注:
よく見かけるなあ、と思っていたら、意外に身近な関係者だったりするものである。洗濯物を干そうとお外に出たところ、どこからかネコの声がする。いつもより“か細い”声に心配になり、声のする草むらあたりを探してみたが見つからない。おかしいなあ?と立ちすくんでいたところ、お向かいの家屋から声がする。近づくと“すりガラス”になった玄関に、ウロウロするネコのシルエット。家人が亡くなり、廃屋となったお向かいに、どこかから忍び込んで住んでいるようである。気弱な野良ネコだけに、どこに帰っていくのかと心配していたが、まさかお向かいさんだったとは。廃屋も役に立つんだなあ、…という、相手の生活を知る安堵。