

「野生の本能・その1」
可愛いだけかと、
思っていたが…。
尻尾をだす(しっぽをだす):
隠していたこと、悪事やごまかしていたことが分かってしまうこと。隠していたことが露呈すること。化けた狐や狸が尻尾を出し、正体が見破られることから。
注:
可愛さにあふれているものは、いつも可愛いはずだと、思うものである。いつもの可愛い野良ネコにエサをやっていたところ、たまに見かける無愛想なネコがやってきた。ふてぶてしい風貌だと思ったが、意外に気弱で弱々しい。あまりに可哀想だったので、カリカリを用意したところ、いつもの可愛い野良ネコたちが、濁声(だみごえ)で威嚇し始めた。あの可愛さは不変なものと思っていたが、幻想にすぎなかったようである。ネコに尻尾はつきものだが、別の尻尾をだされては、「女優もトイレに行くのか」と同じレベルの驚きだ。一見、どんなに可愛くても、別の顔があるのは、人間だけじゃないのね、…という日常のありがちな淡い期待。