
















大きな赤い月、好条件の流星群も
米ワシントン州にあるレーニア山と皆既月食の赤い月。この月はブラッドムーンと呼ばれている。(PHOTOGRAPH BY KEVIN EBI, ALAMY STOCK PHOTO)
2020年、地上はコロナ禍に席巻されたが、星空ではネオワイズ彗星の突然の出現や、木星と土星の大接近など数々の天文イベントが私たちを癒やし、楽しませてくれた。(参考記事:「2020年7月、ネオワイズ彗星が接近」)
注目の天文現象が目白押しなのは、今年も変わらない。ここでは、2021年にチェックしたい10の天文イベントを紹介しよう。
この日は早起きが報われる。
天空に明るく輝く2つの惑星、金星と木星の接近を見ることができるからだ。
どちらの星も肉眼で明るい点に見え、天体望遠鏡を使えば、両方の星を同時に観測できる。
さらに、その右上には土星まで見える。
観測するなら、南東の空の地平線付近がよく見える場所を探しておこう。
この接近が起こるのは日の出間際なので、観測のタイミングがとても重要になる。
最適な観測タイミングは太陽の光で空が明るくなる日の出の直前だ。
この日、南東の朝の空に4つの天体が集まる。水星、木星、土星はほぼ一直線に並び、その近くには細い月が見える。
3つの惑星はいずれも明るい点に見えるが、水星が一番小さく、木星が一番明るい。すべて肉眼で観測可能だ。
双眼鏡を使えば、木星の4つの衛星を見ることもできるだろう。
天体望遠鏡なら、土星の環も見えるはずだ。
地球、水星、太陽の相対的な位置の関係で、水星を天体望遠鏡で見ると、まるで小さな半月のように見えるだろう。
北米西部、南米西部、オーストラリア、アジア南東部では、皆既月食の赤い月(ブラッドムーン)を見ることができる。
このドラマチックな天文ショーは、太陽と地球と月が一直線に並び、地球の影が完全に月を覆ったときに発生する。(参考記事:「2018年1月31日はスーパーな皆既月食、35年ぶり」)
皆既月食では、地球の大気を通った太陽光は、赤い光が屈折して月を照らす。
そのため、部分月食のときに灰色だった月は、皆既月食が始まると赤っぽい色に変わる。
月がどんな色に見えるかは、地球の大気中の塵の量によって変わってくる。
この皆既月食は、楕円軌道を描く月が一番地球に接近する「スーパームーン」のタイミングと一致する。
そのため、通常の満月よりも明るく大きく見える。
地球の影が月と重なり、部分月食が始まるのは、日本時間の18時44分。月が赤く見える皆既月食は、20時11分に始まり同25分に終わる。
この日、カナダからロシアにかけての地域で、日の出とともに金環日食を見ることができる。
この現象は、太陽と月、地球が一直線に並んだ際に起きる。見かけの月が太陽のそれより少し小さいとき、黒い月のシルエットの周辺に輝く環が現れる。
金環日食の観測場所から遠くても、アジア、ヨーロッパ、北米などでは月が太陽の一部を隠す部分日食を見られるかもしれない。
金環日食や部分日食を観測するときは、必ず適切な器具で目を保護するようにしよう。
この日の日没後、2つの明るい惑星がとても接近して見える。
近くには三日月もあり、天文好きには絶好のシャッターチャンスとなるだろう。
2020年12月の木星と土星の大接近と同じように、火星と金星は天体望遠鏡でも2つ同時に観測できるはずだ。
金星はとても明るく輝くので、簡単に見つけられる。
火星は金星よりはずっと暗いので、最初のうちは明るい金星のそばでは見にくいかもしれない。しかし、目が慣れてくれば肉眼でも見えるはずだ。(参考記事:「2020年12月21日に木星と土星が大接近、ここまで近いのは400年ぶり」)
毎年8月中旬、地球はスイフト・タットル彗星が残した塵の中を通過する。
その結果、細かい隕石が大気の上層部で燃え尽き、たくさんの流星が発生する。これはペルセウス座流星群と呼ばれ、例年だと1時間に60個ほどの流星を観測できる。
今年のペルセウス座流星群のピークは、月のない暗い空と重なり、特に観測に適した条件となる。
流星群は、その名の由来となったペルセウス座から現れるように見える。観測は北半球のほうが適している。
きれいな流星群を見たいなら、できるだけ光が少ない場所を探そう。
晴れた夜空なら、郊外の庭や公園からでも、1時間に10個ほどの流星を見ることができる。
(ILLUSTRATION BY ANDREW FAZEKAS)
ジャコビニ流星群とも呼ばれ、北西の夜空の高い位置で輝くりゅう座から、1時間に10個から15個の流星が観測できる。
この流星群は、ジャコビニ・ツィナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)の軌道に沿って広がる粒子によるものだ。この日は細い月しか出ておらず、空が暗いので、流星の観測に適している。
見ごろは、流星が高い位置に見える日没後から夜中あたり。
ピーク時には、北半球全域でりゅう座が真夜中にほぼ真上に見える。この流星群の流星は速度が遅いので、比較的見つけやすい。
2021年末、熱心な日食ハンターにとっての大冒険が待っている。
この皆既日食を見ることができるのは、南極だからだ。ただし部分日食なら、チリ、アルゼンチン、南アフリカ、ナミビア、オーストラリアの一部で見ることができる。
皆既日食を観測できる場所に向かうクルーズ船や飛行機もある。
そういった場所では、太陽が完全に月で覆われる数分間、あたりは一気に暗くなる。
世界の南の果てに赴く人は、明け方の早い時間帯に地平線近くで日食を見ることができる。
氷山とツンドラを前景に見る日食は、一年の締めくくりにふさわしい光景となるだろう。
出典=https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/010600007/?P=1
日本でみえるかな~
天体望遠鏡が欲しくなる
天体アプリで我慢か?!