公認心理師 過去問研究[1031] 第7回悉皆検討〈4〉実験心理(行動主義)学者名 | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

第七回公認心理師国家試験問題(2024年3月3日実施)

問 4  刺激と反応の間の媒介変数として習慣強度を設定し、行動を説明した人物に該当するものを 1 つ選べ。 

1)  B.F.Skinner 

2)  C.L.Hull
3)  E.C.Tolman 

4)  E.R.Guthrie 

5)  J.B.Watson 

 

 

解は、2
 

2)か3)かで迷うかな…「習慣強度」のタームを想い出せるかどうかが鍵。「アメリカ心理学史」の固有名詞群をかなり系統的に綿密に記銘していないと正答は難しいのでは???

 

1)  B.F.Skinner [Burrhus Frederic, 1904-1990]

  アメリカ、新行動主義者、「スキナー箱」、オペラント行動

 

2)  C.L.Hull [Clark Leonard,1984-1952]
        アメリカ、新行動主義者、強化説、need reduction[要求の低減]

 

3)  E.C.Tolman [Edward Chase, 1886-1959]

        アメリカ、目的的行動主義 、サイン・ゲシュタルト説

 

*Tolmanには、Lewin,Lurt[1980-1947]の影響が強く、根底には力動的な考え方が見られる。しばしば、Hullとの考え方の差異が対比される。

Hullが反応関係の仲介概念を強調する強化説の立場を取るのに対して、Tolmanは、認知的要因を重んずる認知説の立場にある。次回以後にヤマかけるなら、ここらへん?!

 

4)  E.R.Guthrie [Edwin Ray, 1886-1959]
        アメリカ、新行動主義、接近説(強化説と根本的に異なる)

 

5)  J.B.Watson [John Broadus, 1978-1958] 

        アメリカ、行動主義[心理学とは、人間の行動を取り扱う自然科学の一分野である]を
  主唱、決定論、経験主義、還元論、徹底した環境主義

 

 

にゃんと1)~5)の全員、にゃんの学部時代[1980年代🙀]の教科書と持ち歩いていた小辞典に載ってる方々!!😺

 

…というわけで、一般教養科目の教科書[おそらく30年余りぶりに開いたけど、定規での線引きとか強迫的に綺麗に使っていたのに感慨深し、几帳面な学生だったんだ。あの頃は…]は、メドニックらの『心理学概論』(1982,第9刷)、ハンディ辞書は、これも同じく誠信書房の外林大作ら編『心理学辞典』(1974,第2刷)。)にゃ。なので、上記の解説メモは、それらの引用です。

コンテンポラリーな展開等詳細は、wikiその他受験サイトとかで確認しておいてくださいね。

 

 

😽にゃんの、ついついたわごと
 

....要は、「(文学部の)心理学」の基礎的知識、必須要記憶心理学者名の羅列。


なんか、高校時代丸暗記した「国文学史」年表を思い出したにゃ。

それって、単なる一対一対応で憶えるやつ…「人名」対「代表作/〇〇派/△△主義」とか。

これなら年表に羅列してある固有名詞を暗記するだけだから、確実に点稼げたにゃ~。

うん、そんな名前と名前の単語を結びつけて正誤を競うゲーム感覚やった、懐かしい。

 

ま、国文での「解釈」ってのも、「自分の感性からの独自の受け止め方をとっとと傍に措いて、一般読書鑑賞者の受け止め方に合わせることなんや」、と割り切ったら点取れるようになる。

 

一対一対応の暗記モノは、この国試なら一般問題。

例文を読んでの標準的判断や感想を回答するのが、この国試の事例問題やね。


ただ、前回ぐらいから予兆があったけど、今回の事例問題には、一対一対応の暗記モノを選ばせるために、「事例の説明」の位置に、冗長な枕詞を使ったものが増えてる。


「「事例問題」は、国試には要らん」と宣った基礎シンリの御大に代表される勢力に妥協した、落とし所がこれなのでしょうね。

その派閥に迎合した現業者連が目指したのは、どう言い訳しようが、医療モデル。

医療系国試には当然、この形式(事例問題)で診断と治療法選択問題が出よるから、落とせた。

 

大学受験テクニークまんまでいける国試、一度合格したら一生ものの公認心理師資格。そんな楽勝な資格獲得戦に向けて、「眼に見える」コトバ・文字を丸暗記して操作するのを頑張る。

 

「眼に見えない心」を取り扱う専門職に国家が資格名称を与えるための国試も、これまで身に馴染じまされてきたテクニークが駆使できるマークシートで合否を決するわけや。

 

…って、「眼に見えない心」って言ったものの、慣用的な使われ方に倣っただけ。

随分前から、脳機能検査で活きている脳が視覚で捉えられる。


というわけで、応用系では突出して、かつて前世紀(全盛期)に勢力を張ってきた「臨床心理学」は相変わらず「エビデンスないやん」「非科学的やがな」とイジ(メ)られ続けるにゃ~。

 

 

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