こころの臨床

こころの臨床

心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

一般社団法人 こころの臨床は、2017年の公認心理師法施行以来、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定を受け、公認心理師現任者講習会を毎年開催して参りました。2020年度公認心理師国家試験は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、12月20日(日)に延期されました。これを受けて弊法人は過去の実績を活かし、2020年12月に国家試験直前対策のためのオンライン(ウェビナー)開講を実施しました。

このオンラインでの国試直前講座は、公認心理師国家試験を受験される方に限らず、スキルアップのために心理支援や制度の要点を簡潔に学びまた復習しておきたい方々に受講いただきました。全国に同じ志ざしで励まれている方々が繋がるきっかけになればと、ウェビナー受講者の方々相互の交流の時間を設けました。
今後とも、全国のこころの支援の実務者またこころの支援を志すみなさま同士のお出会いが生まれる場を提供していきたいと願っております。

公認心理師資格取得を目指される皆様には、連載中の過去問研究も、ご参考にしていただければ幸いです。
昨年度末に第一回追試からの「教育現場」シリーズを終え、前年度までの国試3回分の「教育現場」に関わる問題の検討を終了しました。目下、2020年12月20日に実施された第3回国試問題を1日1問、悉皆検討し今後の国試の方向性(すなわち国の精神保健立法/行政に関わる指針と意向)を洗い出すステージに進んでおります。この連載は、8月27日に終了します。翌8月28日から9月19日の第4回国家試験直前までの日程は、「出題基準」の全ての項目を網羅し、第4回の出題傾向を予測解説した総まとめとする予定です。

これらを含む調査研究活動を基として、弊法人の前身である一般社団法人日本臨床心理学会ならびに心楽の会の理念を、後進の方々への育成と支援に活かしていきたいと切に願うところです。

弊法人で毎期開講の錬成講座につきましては、今年度は、2022年の年明けの開催を予定し、昨年度に引き続き、臨床心理士の研修ポイント対象ワークショップの申請をいたします。(各講座合計5時間以上でお申し込みいただいた臨床心理士の方が対象です。)

第三回公認心理師国家試験問題(2020年12月20日実施) 

問85    パーソナリティの理論について、正しいものを1つ選べ。
1  場理論では、環境とパーソナリティの二者関係をモデル化する。
2  期待−価値理論では、個人が生得的に有する期待、価値の観点から パーソナリティの個人差

  を考える。
3  5因子理論では、5つの特性の上位に、行動抑制系、行動賦活系という2つの動機づけシス

  テムを仮定する。
4  認知−感情システム理論では、個人の中に認知的・感情的ユニットを仮定し、パーソナリテ

  ィの構造を捉える。
5  パーソナル・コンストラクト理論では、個人の中にコンストラクトと呼ばれる単一の認知的

  枠組みを仮定する。 

 

 

解は、4。

 

🐱タームチェック:

場理論:心理的事象は自発的に体制化する構造的特性をもつという考え方、

生活空間(Lewin, K)、B=f(P・E)、モデル化(抽象化)、Big Five Personality Model、

コンテクスト

 

かなり輻輳した選択肢群なので各選択肢ごとにチェックしてみましょう。

 

1  場理論では、環境とパーソナリティの二者関係をモデル化❌する。

  行動は、環境とパーソナリティの相互作用による。
 

2  期待−価値理論Atkinson,J.W.では、個人が生得的に有する❌期待、価値の観点から 

  パーソナリティの個人差を考える。
 

3  5因子理論The Big-Five factor structureでは、5つの特性の上位に、❌行動抑制系、

  行動賦活系という2つの動機づけシステム[これらはGray.J.気質モデル]を仮定する。

5  パーソナル・コンストラクト理論(Kelly,G.A.)では、個人の中にコンストラクトと

  呼ばれる単一❌[→一対]の認知的枠組みを仮定する。

 

🏁ブループリント「出題基準」到達目標:9-⑶/⑷人格の概念及び形成過程、人格の類型、特性

小項目例:相互作用論、一貫性論争、人格の形成過程(連続性と変化、遺伝要因、環境要因、特性論、5因子モデル

 

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