こころの臨床

こころの臨床

心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

来月の「オンライン心楽の会神奈月例会」は、10月13日(第二日曜)に変更、13時開始を予定します。

毎年この時期に開催しております、弊法人スタッフ・役員が参加した今年度の学術大会と研修会・研究会のご報告を行います。皆様のなかには、諸々の事情で年に一度の貴重な大会に参加ができなかった方もいらっしゃったかと思います。講演やパネル、全体の雰囲気などをご報告できればと願っています。

          ~~~~~~~ 本年~来年初頭のオンライン心楽の会(予定含む)~~~~~~

1月 心理職が学校で行う授業「児童プログラム」デモンストレーションと検討   【終了】
2月 WHOの指針と日本の精神医療についての解説(中川聡氏客演・当事者体験談) 【終了】
3月 河合隼雄とは誰だったのか?  【終了】
4月 第7回公認心理師国試総評と今後の展望  【終了】
5月 箱庭療法研究②:他者の箱庭作品を用いた感受性訓練(実務者研修等グループワークでの試み)【終了】
6月 「科学者-実践家モデル」の「科学」とはなにか 【終了】
7月 心理検査・心理療法を学ぶ時や研鑽のコツ 【終了】
8月 ファンタジードラマやアニメで語られる「死生」...「アニメ(/物語)療法」の可能性 【終了】
9月 箱庭療法研究②-2:他者の箱庭作品を用いた感受性訓練・新たな作品と提示順序でのワーク 【終了】
10月 本年度学術大会・研究会等の参加者からの報告~研究課題のトレンド
11月 本年度学術大会・研究会等の参加報告(続)~国家資格化にともなう心理専門職の未来について
12月 本年の活動の振り返りおよび「国試問題出題内容不備」に起因する受験者のリスク低減の手立てを探る
2025年
1月 第八回国試を前に、不適切・不備問題出題の事前・事後に備える、ささやかな😿ねこ集会

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オンライン心楽の会のURLは、ニュースレター会員(恒久無料)の皆さまに毎月末ごろ、ニュースレターに添付してお送りいたします。

ニュースレター会員(恒久無料)への新規ご入会は、現会員からのご紹介に限らせていただいています。
もし、ご紹介者がいらっしゃらなければ、ここりんHP(以下)から、ご一報くださいませ。
https://www.cocoronorinsyou.com/member/

本ブログでは、古猫心理士くろにゃんが日頃の臨床の中でふつふつと思っていることや、業界のナカの人だから知るハメになったややトリビアルな情報を綴る「臨床つれづれ」を、ランダムに投稿しています。また、第七回合格発表後の4月月初から9月上旬まで、昨年度に引き続き、毎日1問、第七回国試過去問検討を連載しました。

そのほか公認心理師をはじめ対人支援職の知見・見識・技能の向上に資するトピックや制度改革への意見などを随時投稿します。こころの支援の実践にお役立ていただけそうな情報を、幅広い領域からご紹介していきたいです。

ウィークリーでは、以下のテーマ記事を連載中(9月第2週まで)。
(より臨床実践へのヒントとなる文献や資料類の紹介を目指し、年初より一部を再編いたしました。)
毎火曜日12時:臨床心理学・精神医療関連図書の紹介A
毎木曜日16時:臨床心理学・精神医療に関連するドラマ・映画・アニメ等の紹介と作品分析
毎土曜日12時:臨床心理学・精神医療関連文献内容の紹介B(原則、火曜とは別の分類テーマで)7月20日で終了

*9月第2週より、上記火・木の連載に加えて月・水・金 は「先達の言霊」の連載開始予定、原則0時投稿です。
土は、くろねこ漫画・日は別テーマ(臨床つれづれ・スタッフの単発投稿)での連載開始を予定しています

[「あなただけに打ち明ける」と言われた時…]「医療はチームワークですので、私だけというわけにはいきません。どうしても私だけとおっしゃるなら聞かない方が良いかもしれません。一般に後で後悔なさることがよくあるようですよ」とやわらかに断るとよい。

          (『看護のための精神医学第2版』p008, 2001年初版,2004年第2版)

 

 

 

守秘に関わる問題。チームでの精神科医療のケアで起こりやすい、もっとも身近なケアを担っている看護師に対して、特別扱いを求めての「賄賂」として、「打ち明け話」をするケース。これは、チームとは言え事実上、医師を頂点とするヒエラルキー(医療モデル)において、下位に置かれた看護師にとっては、「ほんとうにこの人が信頼しているのは私なのだわ!」と優越感がくすぐられる...つまり賄賂でもあり誘惑でもある。そうなると、患者さんのコントロール下に陥る可能性があるわけで...。欧米の臨床現場でも同様の問題が生じやすいかなあと少し疑問が残ります。予防的に、このように釘をさすのは、看護師の立場なら悪くないと思いますが、協働するチーム医療の一員として公認心理師(法42条を遵守する義務を負う)が加わるときも、同じでいいのかなあと、考え込まされました。