このニュース、大手メディア以外で取り上げられていますので、ネットを主たる情報源とされている方々には、すでに広く行き渡っていると思います。
しかし、これって、にゃん的には、臨床心理士とは異なるルーツ(医療心理師法案がそのままスライドした)公認心理師法が成立した時点から、十分に予測されたものででした。
端的に言えば、文科官僚との繋がりが深かった河合隼雄流心理臨床家モデルの凋落が顕わとなったということだと思います。
まあ、関西、まず京都市では、少なくとも現時点ではあり得なかったかも。
でもね、東京都の行政が、全国の地方自治体のモデルとしてこれを断行したのならば、全国にこの方策が拡がることは、すでに時間の問題でしょう。
このように、学校現場で稼働するスクールカウンセラー(心理臨床家)の職域のオリジナリティ(独自性...専門性)が、無視黙殺されるのは、公認心理師法制度が成立したことに起因する必然の結果と言わざるを得ません。
すなわち公認心理師は、「チーム学校」の歯車の一つとして交換可能な、一定の資質の基準を満たした国家資格者モデル(公認心理師法42条の1:多職種連携義務、しかし、公認心理師は帰属するチーム内で、ほぼ唯一の名称独占資格、つまり公認心理師資格を有さない誰にでも担当できる職掌)です
文科省サイトがSC任用対象者の筆頭に置いたのは、公認心理師法成立の翌年の4月1日でした。
公認心理師職能団体の一つである「公認心理師の会」は医療心理師推進団体の後身ですから、「ゆるい専門性(全心協元会長で現在は心理研修センター役員の宮脇稔氏が提唱)」などと言えてしまえるわけです。
...中身のない「科学者ー実践者」モデルのなんとかの一つ覚えのごとき専一提唱も同じ。
そこには、非言語的な領域に触れてネガティブケイパビリティに耐える姿勢を旨とする、職人技としての心理臨床家のモデルなど、もはや、一顧だにされていません。
将来的に、このような職人技を伝授できる心理専門職養成機関が構築できる見込みは、今年度の大学・大学院での実習担当教員への管制講習(国家...厚労官僚による統制)の水準が漏れ伝わるにつけ、たいへん悲観的にならざるを得ません。
本件に関する、もう一方の職能団体、「公認心理師協会」の声明が、どこか義務的で、切れ味(迫力)が感じられない背景には、この事情が関連するのでしょう。
https://www.jacpp.or.jp/document/pdf/statement_on_SC_recruitment.pdf