木曜レビュー[ドキュメンタリーのこころ] ソウルメイトを求めて(2023) | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

 

 

アメリカ合衆国の、新しいかたちのカルト宗教あるいは、自己啓発セミナー系の『Twin Flames Universe 』とかと名乗る団体の活動を批判的に描くドキュメンタリー、アマゾンオリジナル作品、全3回です。

 

この「love」を騙ったスピリチュアル系のカウンセリングカルトを営むのは、ある意味どこででも出会いそうな、非凡でもなく知的にも優れているとは言い難い(麻原彰晃もまたその種の非凡でもなくオーラも感じられない人物、と教団外部の者には見えていたはずですが...)男女ペアの来歴とその活動の様相を、検証します。

 

            初期の漠(バ)カップル...まだ初々しい

 

 

この2人がパートナーとなって補完し合い(ケミというのでしょうか)、インターネット上にSNSまた動画サイトとして、自己啓発・スピリチュアル系カウンセリングカルトが構築され、これがオンライン上で、かなりの隆盛を一時的に達成できたようです。

 

そこで展開されていた「スピリチュアル・カウンセリング」は、かなり場当たり的・思いつきっぽいの確信的な指示により、ソウルメイトマッチングが強要されたりします。

こうして〈騙され〉た主に若い女性メンバー・幹部をタダ働きで搾取し、このスピ指導者カップルは、不動産をはじめ私財を蓄積し優雅な生活を誇ります。

 

 

儲かり出した莫(バ)カップル

 

 

また、このスピ指導者カップルの男性の方は、自らをキリストに似せた風貌を装っていくようになります。男性カリスマが異性を信者にして搾取するというよくあるパターンのバリエーションでしょう。

 

元幹部を務めた脱会者の証言、指導者カップルの親や友人へのインタビューに基づく、いまこれから蔓延することが予測されるオンラインカルトに関わる、最新のドキュメンタリー作品です。

 

 

                      自己暗示ジーザスなりきりオジサンと白?魔女