宗教学会第82回大会パネル conspirituality研究の課題と展望 1/8 | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

Conspiritualityとは何か?昨日は日本語版を上げましたが、こちら原語版。

https://en.wikipedia.org/wiki/Conspirituality 

 

英語版でもこのボリューム、ということは、まだあまり研究が進んでいないということ。

 

このように、現在進行中の研究では対象の取り扱いや方法論に、特段の困難が伴います。

 

にゃんの第2期院生での研究(にゃんと、「公認心理師」を宗教社会学の方法論に参与観察手法を織りこんでの研究調査)が、結局は挫折…ていうか中断したまま、にゃんの今生が終わりそうなのだが…したのも、この困難さからにほかにゃらないのだ…😹

 

               

               🦎 🐍 🐉

 

さて、本題。

 

第5部会2023.09.09.13:30-15:30

コンスピリチュアリティ研究の課題と展望

代表者・司会:粟田英彦(佛教大学)[以下敬称略]

辻隆太郎・堀江宗正(東大)・伊藤雅之(愛知学院大)

コメンテータ:ヤニス・ガイタニディス(千葉大)

 

最初の報告:

辻隆太郎「コンスピリチュアリティの定義と批判、および有用性について」

 

Ward, Charlotte; Voas, David (2011-01-01). “The Emergence of Conspirituality”. Journal of Contemporary Religion 26 (1): pp.103–121

 

以下に抜書きするレジュメ[抄]が依拠する参考文献は上記のようです。口頭での説明を補足したところもあります。

 

[完全版をURLとQRコードで提供してくださっていたのですが、不覚にもいま確認しようとしたら、すでに削除されていました。最近は紙では配らず、このような資料提供が主流になっています。宗教学の先生方は、わりとICTを他の文系領域の中でも先進的に利用される傾向にあるようです。Facebookでも、先駆け的利用者の先生方がかなりいらっしゃいます]

 

 

1 定義

1)秘密の集団が政治・社会秩序を密かに支配している。あるいは支配しようとしている

2)人類は意識のパラダイムシフトを経験中であり、覚醒した新しいパラダイムの世界観に従って行動することが、1)の解決いつながる。

 

1-1 驚くべき現象?

陰謀論:男性、保守的、悲観的、公的関心、二元論

例)ミリシア…反中央集権主義、愛国主義、白人、キリスト教徒

スピリチュアリティ:女性、リベラル、楽観的、私的関心、一元論

例)ニューエイジ運動、ヨガ、瞑想、癒し、宇宙

→相反する領域が結合した、驚くべき、新しい現象?

 

1-2 新しい現象

・指導者が拡散し、関心領域が絶えず変化するウェブ上の運動

・コンスピリチュアリティの柔軟性、低いコストと高いエンターティメント性

・「クライアントは、2つの核となる信念を自分の意見や好みに最も合うように解釈した店舗を選び、買い物をする」

・インターネット…組織化された宗教団体のコントロール外で宗教的でありたいと願う個人やグループを受け入れる。

 

(つづく)