宗教学会第82回大会公開シンポ参加報告2/10 | こころの臨床

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心理学は、学問的な支えも実践的身構えも、いずれも十全と言うにはほど遠い状況です。心理学の性格と限界を心に留めつつ、日本人が積み重ねてきた知恵を、新しい時代に活かせるよう皆さまとともに考えていきます。

第一報告(櫻井啓子:早稲田大学教授)「イランの公教育とイスラーム」

 

イランの例を通じて考える。ムスリム多数派の国のイスラーム教育の考察。{資料割愛}

イランでは89%が、シーア派。

イラン・イスラーム共和国憲法12条でイランの公式宗教は、シーア派の12イマーム・ジャアファル法学派と定められている。

13条に、ゾロアスター教、ユダヤ教、キリスト教のイラン人が、唯一の宗教的少数派(人口の2%)として認められる。(つまり、これ以外の宗教は認めない。)

 

公教育は、教育省が一元的に徹底管理する。

 

シーア派にはイマーム(12(人)を認める)が重要な存在。

 

 

共和国憲法5条:イスラーム共同体(ウンマ)の監督と指導は、イスラーム法学者に委ねられる。法学者による統治。初代最高指導者ホメイニ師、現最高指導者ハーメネイー師。

法学者が「隠れ[第12代イマームがお隠れになっている間の]イマームの代理人」として統治する特殊な国家。

 

イラン公教育におけるイスラーム教育は、小学校6年間で17.6%、中学校では20%を超える。

「教育は信仰なり」全ての教科書に特殊なロゴ。革命前は、「知は力なり」であった。

 

三宗教(ゾロアスター・ユダヤ・キリスト教)のテキストは、それぞれの宗派の記述はない。一神教に関するものだけで、本の厚さも薄い。

 

シーア派をシーア派たらしめる、「殉教」の教育。12イマーム中11人が殉教している。

 

宗教教育は、教科外教育でもさかんに行われている。

「生徒の自由意志」と言いつつ、礼拝室に監視カメラが設置。礼拝を怠ると注意される。

 

子どもたちが作成したアート作品[資料に写真]小学校の廊下に展示。「カルバラーの悲劇(殉教がテーマ)」を立体で表現している 。[…🐱感想:箱庭っぽい。]

 

 

桜井先生のレジュメ資料より

 

(つづく)