潜在意識で性的欲求が高まっている時、顕在意識に上がると淋しさや人恋しさといった感情に変換され「一目惚れ」しやすくなるという心理分析もあります。
いずれにしても、お互いに好印象を持った者同士が仲良くバラ色眼鏡をかけて、目眩く恋愛へと突き進むのでしょう。途中、どちらかのバラ色眼鏡が外れたり、互いにむしり取り合ったりなどした場合は、失恋ということですか。まあ、遅かれ早かれ外れることにはなるのですが。
もう少し先へ進めます。
ヒトの基本的な行動動機や価値観は、学習によるものではなく、よいも悪いもなく、永遠に近い時間の経過のなかで、進化から与えられた天賦のもの‥‥ということを踏まえた上で。
前の記事で、恋愛感情の最終目的は有性生殖であると書きました(もちろん同性愛等の例外もあります)。
それでは、ヒトは恋愛感情を向ける相手、つまり配偶者選択をどのように行っているのでしょう。
ヒトも含め、妊娠から出産、育児に多くの時間がかかる動物の世界では、明らかに雌♀が雄♂を選ぶ傾向にあります。当然といえば当然ですが、選ばれる雄の方が、見た目美しく様々なパフォーマンスに長けています。ヒトの雄も本来はそうなのかもしれません。
余談ですが若かりし頃、女性の同僚と東京下町で打ち合わせの帰りに夏祭の御輿に遭遇し、褌一丁の連なる美尻に興奮した同僚に引きずられ、小一時間汗まみれで御輿の後を一緒に練り歩いたことがあります。其の後ビールで乾杯しました。同僚の奢りで。
配偶者選択(mate choice)
女性の配偶者選択
受胎し母親という命の器となって、育児にも長い時間を費やさなければならない女性の側が、配偶者をわりと厳しく真剣に見極め、選択しなければならないのは必然です。
進化の過程で遺伝子に組み込まれた女性の配偶者選択(mate choice)の基準を大きく分けると、
(1)個体として別々の遺伝的変異を持っているという意味で違うこと(遺伝子的には遠い)。
(2)遺伝的には遠いけれど生存競争上有利だったという点で似ていること(同じような進化の方向性にある)。
となります。
本人的には、本能的に、無意識的に、感覚的に恋に落ち、同時に現実的な様々な基準によって厳選したり、妥協したり、悩んだりしながら「配偶者」を決めてゆきます。しかし本人には分からない無意識のうちに、しっかりと「配偶者選択」という生物進化の初期設定プログラムの影響を受けているわけです。
先に(2)の配偶者選択の基準について説明します。
(2)の「生存競争上有利だったという点で似ていること」で、最も重要なのが「知能の類似性」です。
原始時代から人類は知能が高くなる方向に進化してきました。つまり、優秀な知能どうしの掛け合わせによるDNAが生存競争を勝ち抜き、今日の我々まで引き継がれてきているわけです。加えて、体の大きさや肌色、生活習慣などの表現型に類似性があること、価値観、年齢が近い相手を選択すること、など、も含まれます。
男性が外で働き、女性が子育てと家を守っていた近代を考えると、相手の男性が資源をどれだけ自分に提供してくれるか(知能の高さとそれに付随するもの)が大きな選択基準となりました。今もその傾向は多々ありますが。
しかし「進化の方向性(知能の高さ)」という基底部はそのままでも、IT社会や女性の社会進出など現在進行形で進む社会構造の変遷につれ、表層的な選択基準は少しずつ確実に移り変わってゆくと思います。
そのほかに「生存競争上有利だった点」として、進化心理学で有名な「男性ホルモン(テストステロン)がしっかり分泌されており、身体の左右の対称性を維持している身体 」というのがあります。これも女性の配偶者選択の基準の一つとされています。
男性が男性ホルモン旺盛に生活する(生殖機能の保持)には、心身ともに健康でありストレスも少ない状態を維持している必要があります。というのも、男性ホルモンは、心理的・物理的刺激によってすぐに下がってしまう傾向があるからです。
また、身体や顔貌の左右のバランスのとれた対称性という点では、遺伝子的な発達上の不安定性がない優良な身体、ということに繋がります。
しかし、頭脳明晰テストステロン溢れる美丈夫‥って、わかるけど、そうそう居ないやん! 遭遇率 0.17%くらいやん!
ご安心ください。男性としての性的魅力が高い男性は、短期間の恋愛相手としては最高だとしても、必ずしも長期間「配偶者」として一緒に過ごすのに適した相手とは限らないようです。 ''o(゚д゚o)ヨシッ
というわけで、女性は「短期的魅力(良質な遺伝子を GET!)」か、「長期的な魅力(安定した良質な生活環境をGET!)」か、の二重基準によって「恋愛相手」を選んでいるらしいのです。
需要と供給のアンバランスの問題と、短期/長期魅力の二重基準のジレンマです。
原始時代の女性はこの難問をどのようにクリアしたのでしょうか?
この難問については本題を離れるので、気が向いたら後に詳しく書きます。
