『パーソナリティ障害』(1) | すべてはうまくいっている! 光と心の調和

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『パーソナリティ障害(人格障害)』という言葉、既成メディアに登場するだけではなく、ネット上にもあまたのサイトが存在する。

最近クライアントさんにご質問いただくことも多い。しかし通り一遍の知識をお話しするだけでは、その複雑多彩な症状の全容を伝えることはなかなか難しい。あらためて文章にまとめてみたいと思う。

といっても、あくまでも私の消化力によるものなので、探究心のある方は玉石混淆のネット上の情報だけではなく、数多く出ている専門書の精読を推奨する。


『パーソナリティ障害(人格障害)』の定義

Personality disorder『パーソナリティ障害』は「病的なパーソナリティ(個性)」の概念を指す精神疾患のひとつ。

世界保険機構(WHO)のICD(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)の分類と、アメリカ精神医学会によるDMS(精神障害の診断と統計の手引き)による分類がある。ICDもMDSもそれぞれ10種類以上に分類し、内容的には大差ない。

たとえばアメリカ精神医学会の
DMS(精神疾患マニュアル本)では、『パーソナリティ障害』についての全般的診断基準を、冒頭において「著しく偏った、内的体験および行動の持続的様式」と記している。


そこで挙げられている判断基準のうちA~B基準をみると、その内容はかなり曖昧かつ抽象的で、恣意的な見方をすれば、身近にいる強い個性の持ち主にも当て嵌められる。C基準の「その持続的なふるまいが原因となる苦痛、もしくは社会的、職業的、その他もろもろ社会生活に支障を来す(要旨)」がなければ、あの人あの人もパーソナリティ障害じゃネ?ということにもなりかねない。

ICOにしろDMSにしろ、もとはといえば複雑怪奇な精神疾患を、簡単便利な診断基準をもとに分類し、ペッタンコとレッテル貼って一安心、みたいなためにつくられたシステム。←暴言です。(DSMに載る病名は改訂のたびに増える一方だけど、どうやって
病名とその症状を決めているかっていうと、アメリカ精神医学会のメンバーがハイッ!って手を挙げ多数決なんだって。)
 

したがって個性とか性格の偏りである『パーソナリティ障害』が、人間のありとあらゆる多様な性格の寄せ集め的概念からでき上がっているのも仕方ない。

要するに、正常と障害との線引きを明確にすることがひじょうに難しく、専門家でも取り扱いの困難な精神疾患のひとつが
『パーソナリティ障害』といえる。

日本の医療機関が「薬がないから治療できないよ」と追い返す場合が少なくないというのも頷けるのだ。


『パーソナリティ障害』の全体的特徴

 パーソナリティ障害をわかりやすく一言でいえば「偏った考え方や行動パターンのため、家庭生活や学校生活、社会生活に支障をきたす」『度の過ぎた心のくせ』といえる。

パーソナリティ障害治療の最先端を担う一人である岡田尊司氏は、現代人の抱える行きづらさや社会に起きている不可解な現象は『パーソナリティ障害(人格障害)』について知ることで、よく理解できるようになると指摘している。

現在社会問題化している「児童虐待」「ストーカー犯罪」「親子間の殺人」「うつ」「引きこもり」「家庭内暴力」「家庭内不和」「依存症」「学校・職場での対人摩擦」等々の背後には、『パーソナリティ障害』という共通要因が存在しているという。

そこに浮かび上がってくるのは「思い通りにならない他者を、別の意思と感情を持った存在として認められない」人々の姿。

成育過程で自分と他者との関係性が健全に育たなかったため、「対等で信頼しあえる人間関係」を築くことができず、「独りよがりな他者との関係」にしがみつく人々といえる。それがパーソナリティ障害の根本的特徴となっているのだ。 (つづく)

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