5/22(水)

今日も主に『ピカレスク太宰治伝』を読む。
気分転換に、武田百合子の『富士日記』と坂口恭平の『自分の薬をつくる』も読む。

 

坂口恭平さんは『継続するコツ』を読んでからファンになった。

彼の本を読むと、他人の評価なんて気にしなくていいんだぜ!好きなことをやろうぜ!きゃっほう!と快哉を叫びたくなる。

 

そうなのだ、人の評価を気にし過ぎるとこんなブログですら一文だって書けなくなってしまう。文章を書いて、自分がバカなことがバレるのが怖いのだ。

 

バカだっていいじゃないか、好きなこと書こうぜ!きゃっほう!

何も不安になったり焦ったりひがんだりすることはない。私は十分に幸福だ。好きなことをして生きて行くことは難しいことではない。とにかく笑っていられれば、否、笑っていればいいのだ。きゃっほう!

 

 

ところで、私はLINEなどでも喜びを表すときなどに「きゃっほう」をよく使うのだが、思えば元ネタはこれだった。

 

ボーヤ見たか?

『きゃっほう』だぞ

 

すごくバカみたいだろ

 

(『ぼのぼの 8巻』いがらしみきお)

 

 

‥‥‥きゃっほう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

5/23(木)

『ピカレスク太宰治伝』読了。いやーおもしろかった。

読む前と読んだ後では、太宰治と井伏鱒二のイメージが変わる。
 

今までの太宰のイメージ

→自虐と破滅を文学に昇華した天才で、女にモテ、自殺未遂を繰り返した死にたがり。

 

本書での太宰のイメージ

→結婚を迫る女や分家除籍を巡る実家とのトラブルや借金や巻き込まれた左翼運動等のもろもろの面倒から逃れるために偽装心中を企てたしたたか者。

 

今までの井伏のイメージ

→『山椒魚』『ジョン万次郎漂流記』『黒い雨』など語り継がれる名作を残した文豪で、ダメダメな太宰の面倒を見てあげてた頼れる兄貴分。

本書での井伏のイメージ

→元ネタの話や他人の日記をただリライト(あるいは改悪とも)して自分の小説としてしれっと出すしたたか者の反面、太宰の実家の助さん角さん的存在の人たちの圧に屈して渋々太宰の面倒を見る羽目になった小心者。

 

 

もちろん、本書で書かれていることは猪瀬直樹の推測であって、何が真実だったかはわからない。けど、新しい視点を与えられたことはそれだけで読む価値があったし、ミステリのように展開する書き方もおもしろかった。

 

 

 

 

 

※6/4追記

本書の巻末にある参考文献の量が「膨大な文献資料から特に参考にしたものを中心にピックアップした」と書かれているのに、ほんとにピックアップしたんか?とツッコみたくなるくらい膨大でどん引いたのだが、6/1にYouTubeで公開されたホリエモンと都知事選出馬を表明した安芸高田市の石丸市長の対談動画の中で、ホリエモンが猪瀬さんが都知事を短期で辞任に追い込まれたことが残念だったという話をしていて、猪瀬さんは歴史やファクトから政策を研究していた、猪瀬さんの書斎に行ったら山のような資料がありとんでもない勉強家だと感心した的なことを言っていて、さもありなんと納得した。

 


 

5/21(火)

 

昨日は、友人からのレッチリ(懐かしい!)のライブに行く前の2時間だけ時間があるから飲もうとの誘いにのり、夕方早い時間からシャンパンを飲んで楽しくなってテンション上がってしまったせいで、帰宅後ウーバーでラーメンを注文したり、お風呂から出た後も漫画『ハコヅメ』を読み続けたりしてさらにテンションがあがってしまって調子にのり夜更かししたため、朝は8:49に起きた。

 

え、遅…

 

時計を見た瞬間はテンションだだ下がりだったのだけど、仏教の無常とか今日死ぬかもしれないという意識の中で生きることがここ数年来のマイブームなので、人生最後の日かもしれない今日をテンションが下がったまま始めるのはよくないと思い、テンションを上げることを意識して一日を始める。

 

 

というわけで、楽しいテンションを心がけながらストレッチ&朝の読書へ。

今はディケンズの『荒涼館』。全4巻の4巻目に入ってどんどんおもしろくなってテンション上がる。

 

スクワットなど6分間のHIITでアドレナリン出てテンション上がる。

 

お昼は久しぶりにイエローカレーを食べて、おいしくてテンション上がる。

 

食べながら今はまっている連続テレビ小説『虎に翼』を見る。

 

主題歌の米津でまずテンション上がる。

弁護士として箔をつけるために恋愛感情はなかったが好意は持っていた優三(仲野太賀。好き)と結婚した寅子(伊藤沙莉)が、結婚後に優三に恋し、くるんって回転しながら布団に入り込んできて(やだかわいい)、「寝ますか」とか言ってるから「いやそこで寝るんかーい!」と内心ツッコミを入れるけど次のシーンでは妊娠発覚してて「寝てないやないかーい!」とさらにツッコんだりしてテンション上がる。

 

 

数日前から読み始めた井伏鱒二の『黒い雨』について調べていたら、齋藤美奈子の『名作うしろ読み』の中の『黒い雨』の解説で猪瀬直樹の『ピカレスク 太宰治伝』も読んでみることを勧めていたので読み始める。

 

太宰の数度の自殺未遂の真相や遺書にあった「井伏さんは悪人です」の意味などを推理していくという評伝ミステリーで、作家のWikipediaを読むのがラーメンと同じくらい好きな私にとって、太宰を取り巻く作家たちとのエピソードてんこ盛りの内容や、今までの太宰や井伏のイメージを覆す主張に、「えーそんな見方もあるの?おもしろー!」とワクワクが止まらなくなってめっちゃテンションが上がる。

 

 

寝る前、愛犬ランボーを「おやすみ」と撫でながら、今日も一日無事生きられたことを想い幸福をかみしめてテンションが上がる。

 

 

 

・・・・・・あれ、なんか眠くならないなー。なんでだろう?
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2/27(火)

 

5:54起床。ぎりぎりだけど、目標としている5時台に起きられて嬉しい。

モーニングページを書く。

 

『ガリバー旅行記』(スウィフト)を耳読しながらストレッチと筋トレ5分。

「見わたすかぎり全員が、頭を右か左かのどちらかに傾けているのだ。片目は内側に寄り、もう片方の目は真上に寄っている」というラピュタ人を想像して、怖っ!と思った。

 

散歩へ。風が強くて寒かったけど、河津桜がきれいに咲いていた。

 

帰宅後執筆。

 

ランチは玄米とサバときゅうりの糠漬けとチンゲン菜のみそ汁。

大河ドラマ『光る君へ』観ながら。

午後は『黄色い家』(川上未映子)耳読しながら家事。

 

夕方、ランニング、VRで汗をかく。

お風呂に入りながら漫画『作りたい女と食べたい女』(ゆざきさかおみ)を読む。

1巻がなかなかよかったので2巻読み始める。やっぱそういう展開になるよね、と思う。

 

夕食はサラダとトマトスープパスタ。

Netflixで『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』観て泣く。

 

『黄色い家』を読んで22:51就寝。

 

 

2/28(水)

 

今日も5:24起床。嬉しい。

昨日と同じルーティンと執筆。

 

ランチは玄米、野菜炒め、卵スープ。

ドラマ『舟を編む』2話を観ながら。

 

うまく言葉にできない、という女性主人公に、RADWIMPSの野田洋次郎(大好き!)演じる馬締さんが言ったセリフが心に残った。

 

「うまくなくていいです。それでも言葉にしてください。

今あなたの中に灯ってるのはあなたが言葉にしてくれないと消えてしまう光なんです」

 

本当にその通りだなと思う。

頭の中にぼんやりと浮かんだことも言葉にしなければ消えてしまうし、そもそも言語化できなければきちんと考えたということにもならないだろう。

 

言語化することは意志力を要する面倒な作業なので、「言葉にできない」「考えさせられる」「やばい」と逃げることはとても簡単だけれど、その怠惰を許すことを習慣にしてはいけないなと改めて思った。

 

午後母と電話。熱海旅行の計画をたてる。

 

オーディブルで『われら闇より天を見る』(クリス・ウィタカー)を聞き始める。本屋大賞受賞!三冠達成!みたいなAmazonの宣伝を見て気になったので。でも期待してがっかりさせられることも多いから宣伝文句は話半分で受け止めるようになった。

 

ランニング30分の後お風呂。

『作りたい女と食べたい女』続き。

 

夕食は海鮮味噌鍋。おいしい。お酒飲みたくなったけれど、水曜だから我慢した自分えらい。

 

映画『さかのこ』を半分見る。なんとなくさかなクンの話なのかなと思ってたら、近所の変なおじさんというていでさかなクン本人が出演してて笑う。磯村優斗、柳楽優弥、岡山天音と好きな俳優が出てきて楽しい。

 

『電話魔 87分署シリーズ』(エド・マクベイン)を読んで22:49就寝。

 

 

 

2/21(水)

 

朝から雨。

 

最近は朝起きてベッドの上でモーニングページを書くのが習慣になっている。


モーニングページについては過去に何度か書いた。

『ずっとやりたかったことを、やりなさい』(ジュリア・キャメロン著)という本で紹介されている創造性を取り戻すためのワークだ。

 

 

上記記事に書いたように、2020年末時点では紙のノートに書いていたのだが、またいつの間にかやめてしまっていた。さらに2023年5月19日に再開したのだけど、これもまたいつのまにか…

 

昨年年末からは朝起きてトイレに行った後、その時考えていることをiPadにキーボードで少し打ち込む、というのを続けていた時期があったが、これも書いたり書かなかったりで習慣にならなかった。何より、キーボードで打ち込むのと手書きで書くのとはやはり違う。朝のぼんやりした頭で考えていることを書くのはやっぱり手書きの方が向いてるなぁと思った。

 

で、2024年1月14日からiPadProでNoteshelfというノートアプリに手書きで書くのをスタートさせたのだけど、その日はリビングのテーブルに座って書いた。

 

でも、ふと、私は寝る前に1日の記録をベッドの上でNoteshelfに書いているので、モーニングページだってベッドの上で書けるのでは?と思いついた。そうすれば「起きてすぐに書く」という、本で推奨されていたタイミングと合致する。

(ちなみに、2020年の記事ではベッドの上でひざ上テーブルを使って紙のノートに書いているとあったが、手帳類は2022年からすべてNoteshelfに移行し紙のノートはやめたので、ひざ上テーブルも処分した。)

 

そこで1月15日から起きてすぐベッドで書くことにした(その前に起きた時間と見た夢のメモは必ず書くけど)。それから今日まで1ヵ月以上続いている。

 

トイレもマウスウオッシュもする前でまだ相当寝ぼけているので、冒頭は「眠い」から始まるのが9割だ。

 

その後、印象的な夢を見たらその夢の詳細を書いたり、その時感じてることをなんでも書いて、そうすると最初は眠かったのがだんだん覚醒してきて、昨日読んだ本や映画の感想などを書いて、そこからいろいろ思考が広がっていって、ノート2頁分を書くとだいたい30分経っている。その頃には覚醒して、すっきりした頭で1日が始められる。

 

モーニングページを何度もやめてもまた書きたいと思うのは、単純に書くとすっきりして楽しいということが一番だが、他にも、読み返したときに「こんなこと考えていたのかぁ」と自分でも新しい発見があることや、読書や映画の記録をつけるときにも、モーニングページに少しでも書いておくと後でとても参考になるからだ。書いたことをすっかり忘れていて、「おぉ、私ちゃんと感想書いてるじゃん!」と後日得した気分になることも多々ある。

 

細かいことだが、書けない漢字を自分で把握できるのも何気にいい。

今日はクリスティの『検察側の証人』の感想を書いていて、「ラストの怒濤の展開に~」の「怒濤」が書けなかったので、いったんキーボードで入力して何回か練習した。「瞑想」「眩暈」「挨拶」「幼馴染」「奔放」「滑稽」「俯瞰」など、読めるけど書けないという漢字は意外と多い。同じ字を何度も書く漢字練習も小学校の頃を思い出してなんだか楽しい。

 

再開してよかったなと心から思うし、書くメリットが多いから優先順位も高くすると決めたので、もうずっとやめないんじゃないかと今は思っているのだけどどうだろう。

 

 

 

2024年になりました。

今年もたくさん本を読みたいです。

 

もう2年前ってことになっちゃうけど、2022年6月に読んだ本。

 

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2022年6月に読んだ本

1. 『夢十夜』夏目漱石(再読)
2. 『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー(再読)
3. 『『FIRE』子どもを2人育てながら1億円貯めた夫婦の40代FIREまでの道のり: GAFA部長が教える、40歳まで役職なし/手取り25万円だった僕が夫婦で取り組んだ資産形成/セミリタイアの考え方』寺澤伸洋
4. 『大奥 2~19巻』 よしながふみ(漫画)
5. 『永日小品』 夏目漱石
6. 『人生の土台となる読書 ーダメな人間でも、生き延びるための「本の効用」ベスト30』pha 
7. 『SPY×FAMILY 1~9巻』遠藤達哉(漫画)
8. 『壊れた世界の者たちよ』ドン・ウィンズロウ
9. 『天地創造デザイン部 2巻』蛇蔵 (原著), 鈴木 ツタ (原著), たら子 (著)(漫画) 
10. 『報復』ドン・ウィンズロウ
11. 『食べても食べても太らない法―読んでるうちに「ムダな食欲」が消えていく!』菊池真由子
12. 『1日外出録ハンチョウ 13巻』上原 求 (著), 新井 和也 (著), 福本 伸行 (著), 萩原 天晴 (原著)(漫画) 
13. 『ミステリと言う勿れ 11巻』田村由美(漫画) 
14. 『ビッグ4』 アガサ・クリスティ
15. 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』山田風太郎
16. 『望遠ニッポン見聞録』ヤマザキマリ
17. 『神の子供たちはみな踊る』村上春樹
18. 『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章 上下』ルトガー・ブレグマン
19. 『窓ぎわのトットちゃん 新組版』黒柳徹子
20. 『ハサン中田考のマンガでわかるイスラーム入門』中田 考 (著), 天川 まなる (イラスト) 
21. 『キングダム 65巻』 原泰久(漫画)
22. 『ワンパンマン 10~13巻』村田雄介 (著), ONE (原著)(漫画) 
23. 『チムニーズ館の秘密』アガサ・ クリスティー 
24. 『スパルタ婚活塾』水野敬也
25. 『処女連祷』有吉佐和子
26. 『職業としての小説家』村上春樹(再読) 
27. 『定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ 1巻』吉本浩二(漫画) 
28. 『上京生活録イチジョウ 1巻』三好智樹 (著), 瀬戸義明 (著), 福本伸行 (著), 萩原天晴 (原著)(漫画)
29. 『護られなかった者たちへ』中山七里
30. 『東京奇譚集』村上春樹 (再読)

 

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感想。


2. 『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー

 

クリスティの代表作の一つ。有名なトリックを使っている。

初めて読んだのは中学か高校の頃だったと思うが、その衝撃は忘れない。

今回の再読では、きちんと伏線があるということに気づけて楽しかった。

 

本筋とは関係がないが、本作ではポアロが引退してかぼちゃ作りのため田舎に引っ越してきた、という設定になっていて、へぇそうだったのか、と思った。少し前に見た映画『ナイル殺人事件』(2022年)でポアロが、かぼちゃ作りをすることが夢、って言っていたので、夢がかなったのね。



8. 『壊れた世界の者たちよ』ドン・ウィンズロウ

 


『文脈力こそが知性である』(齋藤孝)の中で、ドン・ウィンズロウ作品が好きと書いてあったので、Kindleにあった本作を初めに読んだ。

6編からなる中篇集だが、なかなかおもしろかった。

 

特に表題作の『壊れた世界の者たちよ』は、私が大好きなローレンス・ブロックの『八百万の死にざま』みたいな世界観で気に入ったし(本作の訳者がローレンス・ブロックの翻訳をしている田口俊樹氏だったのでやっぱりね、とにやりともした)、『サンディエゴ動物園』はユーモアが効いてておもしろかった。

 

他の作品ももっと読みたいを思える作家に出会えて嬉しい。

ただ、ウィンズロウ3部作の1作目『犬の力』が絶版になっているのが残念。2、3作目はKindleであるのになぜ。早急にKindle化求む。

 


13. 『ミステリと言う勿れ 11巻』田村由美

 

 

今回もよかったー。田村由美さんは天才ですね。

整くんとライカのデートのとこ、たまらん。

初めてバレンタインでチョコをもらったという整くんに「みんな見る目ないんだな」と言うライカ。

小さい声で「ワンスモア」と言って泣きそうになる整くんがかわい過ぎる。

『自省録』を暗号のように使って「整くんは私にとって僥倖」だと伝えるとこもオシャレ過ぎて泣いた。

 


18. 『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章 上下』ルトガー・ブレグマン ◎+220617

 

 

ここ最近読んだ中で一番衝撃を受けた本。

 

著者が引用しているホッブズの「万人の万人に対する闘争」が人類の自然状態だということを、私自身も同じホッブズの言葉を思考の土台に置いて今まで考えていた。

 

だから、例えば母が「どうして戦争なんてするんだろうねぇ」などと言うときには、「いや、それが本来の人間の姿だから。理性や法によってそれを抑制しているだけだから」と思っていたし、私が今まで犯罪に巻き込まれず生きてこれたのは単に運がよかっただけだと思っていた。

 

しかし、本書を読んでパラダイムシフトが起こった。

「人間は本来善である」という新しい現実主義を私も受け入れたいと本気で思ったのだ。

そして、同時に、今後は人間の善性を信じて生きていこうと思っただけで既に幸福な気持ちになっていることに気づいたとき、そのこと自体が本書の主張が真実であることの証拠なのかもしれないと思った。