早春の梅だより。
各地から届いてきますね。

 

香りに誘われて見上げると、
可憐な花と屈曲する枝ぶり。

 

その花色は、紅梅と白梅とで呼び
分けられますが、色名で「紅梅色」
といえば、やや紫みのあるピンク。

特に女性に好まれる色ですよね。

 

春の訪れを告げる梅の花木。

古来から愛され、万葉集では梅を
詠んだ歌が桜の3倍あるそうです。

 

清少納言は、「枕草子」の中で
「木の花は、濃きも薄きも紅梅」
と讃えています。

 

一方で、「すさまじきもの」
(見飽きする色・興ざめする色)
として「三月、四月の紅梅の衣」を
挙げています。

 

早春の色である紅梅色の衣を
3月以降に着るのは季節外れ。

 

暖かな春の盛りになれば、他の花の
色も多く溢れているので、紅梅色は
くどく感じると言ったのです。

(清少納言は、平安のファッション評論家

でもあったようですね…?)

 

平安時代、紅梅色がそれほど

目につき、流行していたという

意味でもあります。

 

英名は、2000年春に大流行した

「ローズピンク」

 

現在は、こちらの名称で広く使われ
ていますが、紅梅色より紫み寄りの
ピンクです。

服飾業界用語で「梅春(うめはる)」
と言えば、冬から春先の期間に
着用するファッションのこと。

 

梅が開花する頃は、生地はまだ厚地
でも、春らしい色合いの梅春物を
着たいですよね。

 

桜よりも、桃よりも先駆けて咲く
梅の花色。

 

紅梅色に春を待つ思いを託すのは、
今も昔も変わらないんですね…。


☑色彩講師の検定ポイント
「紅梅色」 「ローズピンク」は、
JIS慣用色名に採録されています。

紅梅色:やわらかい赤 2.5R6.5/7.5
ローズピンク:明るい紫みの赤 10RP7/8

 

カラーコーディネーター検定1級
第1分野(ファッション色彩) 、および

色彩検定1級の流行色の変遷の

単元に、2000年前後の色返りによる

「ローズピンク」流行が載っています。

 

「梅春」は、カラーコーディネーター

検定1級の第1分野(ファッション色彩)

で、アパレルの色彩年間計画の

1シーズンとして記載があります。

 

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