『なんぞころびやおき 地球慕情篇』(49) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 地球慕情篇』

(49)

峠杣一日・著

琅々(らうらう)と歌ひ上げる、お多福のお笹媛(おたふくのおさき)。

その言霊(ことだま)は、まうぽっぽ(迷妄汽車)を解体(かいたい)してゆく。

因果(いんぐわ・相対)に捉(とら)はれてゐた迷妄念々(めいまうねんねん)が、常(とは・永久)の命ひとつ(絶対・三子魂みつごだま)へと還(かへ)ってゆくのだ。

「きょ?!
これ皆の衆(みなのしゅう)、しっかりするのぢゃ!」

迷妄魂(めいまうだましひ)を鼓舞(こぶ)する兇興葈耳翁(きょうきょうをなもみをう)の声も虚(むな)しく、雪崩(なだれ)を打って瓦解(ぐわかい)するまうぽっぽ。

「あの土地はわしのもんなんぢゃ!」

「あの娘(こ)さへ居(ゐ)なければ!」

「奴(やつ)め!
殺してやっても飽(あ)き足らぬ!」

「全部、彼奴(きゃつ)の所為(せゐ)ぢゃ!」

「あたしは悪くないわ!」

「二度と人間になど生まれたくない!」

「何奴(どいつ)も此奴(こいつ)も!
天誅(てんちゅう)!」

などといった迷妄念々は、三子魂を見失ふことで起こる。

因果など、分かりやうもないのだ。

勝手な極(き)め付けは、利己念々(りこねんねん)でしかない。

ともかく、三子魂に還ることが肝要(かんえう)なのだ。

をろぽっぽ(大蛇汽車)に乗ってゐた兇興翁(きょうきょうをう)も、お笹媛の歌声に微睡(まどろ)みながら、その旅を終へた。

「おのれおのれ!
わいの可愛(かはゆ)い欠片(かけら)達が!」

空中分解したまうぽっぽの中から、すっかり枯(か)れ果てた葈耳(をなもみ)の怪人(くわいじん)が浮かび出た。


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

〽️
いやさかえ
いのちいやちこ
さいはひよいち
まほらとこいは
みつのたま

南無あれかし大明神
南無あれかし大明神
南無あれかし大明神

つづく。