『なんぞころびやおき 地球慕情篇』⑪ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 地球慕情篇』


峠杣一日・著

意宇社(おうのもり)の木々のさざめきの中、静かだが厳(おごそ)かな声あり(いい声だなあ)。

氣嶋法師(けのしまほふし)こと達磨嶋氣助(だるまじまのけすけ)が、倭文幣(しづぬさ)を手に祝詞言(のりとごと)を上げてゐるのだ。

何とも古めかしい、古物語(ふるものがたり)のやうな吉言(よごと)。

どうやら意宇の道祖神(さいのかみ・幸神)の神語(かみごと)らしい。

やまたのくに、やまたのおほかみ、やまたのみたま……などと聞こえて来る。

やまた(八岐・邪馬台)(八衢やちまた)とは、やまと(大和・倭・日本)の原義(げんぎ)と思ほゆ懐かしい響きだ。

すると、意宇社全体が眩(まばゆ)いばかりの光に包み込まれてゆく。

「わわわ、なに?なに?なに?!」

氣嶋法師を中心に幸ひ梟お冥(さいはひふくろふおみゃう)、招き猫お妖(まねきねこおえう)、睦び兎お卅美(むつびうさぎおみみ)の三人娘を乗せた地面一帯がぐんぐんと迫(せ)り上がる。

其処に現れたのは、天を衝(つ)く巨石だった。

眼下(がんか)に広がる雲海(うんかい)、頭上に赫(かがや)く太陽。

涌(わ)き立つ八重雲(やへぐも)に波文(はもん)を描いて揺(ゆ)らめくのは、石(いは)の御光(ごくわう・ブロッケン現象)。

や、光輪(くわうりん)がぐるりぐるりと回転すると、巨大な龍(りゅう)の姿に変はった。

いや、能(よ)く見れば八つの頭(かしら)に八つの尾(を)が見える。

八柱(やはしら)の龍神(りゅうじん)が、一心同体の如くに渦(うづ)を巻いてゐるのだ。

渦の中心には、雲に乗る二つの人影。

噫(ああ)!やまたひこのみこと、やまたひめのみことの御姿(みすがた)である。


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。
まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!
いのちいやちこ、いやさかえさいはひよいち。

つづく。