②
峠杣一日・著
銀(しろがね)に煌(きら)めく地山(つちやま・恐羅漢山おそらかんざん)、其の真上に太陽が耀(かがや)く。
氣吹(いぶき)愛(め)でたき、初日の出。
御来光(ごらいくわう)を拝(をろが)むことは、命(いのち)の歓(よろこ)び。
森羅萬象(しんらばんしゃう)、ひとつの命を感得(かんとく)する斎(いは・祝)ひ。
各々(おのおの)の道を歩む人世(人生)も、山の頂(いただき)に到(いた)ればひとつになる。
「心に昇る太陽」(意おもひ)は、意乃霊(いのち・命)の鏡。
宇宙開闢(かいびゃく)、命の自(はじめ)の意(おもひ)を識(し・知)る意識(自意識)だ。
命の意(おもひ)は親心(おやごころ)、育み創造(さうざう)する働き。
古人(こじん)の示すやうに、世の中(自他)を好(よ)くする働きが人世の本質。
日本古来(にっぽんこらい)の人世観(じんせいくわん)、俱(とも・共)に美(うるは)しき大和心(やまとごころ)……さいはひよいちである。
さて、天(てん)なる山の頂に到ることは地(ち)の中核(ちゅうかく)に到ることでもある。
三つ子の魂(天地人・父母子)がひとつに睦(むつ)む姿が、命だからである。
地底に湖水(こすい)が広がり龍宮城(りゅうぐうじゃう)がある地山は、そんな理(ことわり)を示顕(じげん)する場所のひとつなのだ。
【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】
いちよあれかし、さいはひよいち。
まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!
いのちいやちこ、いやさかえさいはひよいち。
つづく。