『なんぞころびやおき 天球旅情篇』(53・最終回) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 天球旅情篇』

(53・最終回)

峠杣一日・著

天の川銀河の中心、天球大神宮(てんきうだいじんぐう)の参道(さんだう)が次第(しだい)に見えなくなると銀漢(ぎんかん・天の川)の灯台と浮き津(うきつ・船着場)の風景が戻った。

はらり、天の羽衣(あまのはごろも)。

やや、天女達が人魚(にんぎょ)の姿になって、すいすいと歓(よろこ)びの舞を奏(かな)でてゐる。

兇興翁(きょうきょうをう)の企(たくら)みは潰(つひ)え、宇宙は救はれたのだ。

「おおい、此処(ここ)だぞ!
ようやった!」

勾玉宝船(まがたまたからぶね・世一七福黄金の宝船よいちしちふくくがねのたからぶね)の船頭(せんどう)眞芽多磨自今多芽眞(まがたまじまたがま)が、信号火(しんがうくわ)を振ってゐる。

大小蛇(をろころち)の八郎コンビと走火のお愛(はしりびのおかな)、そして豆鼕翁(とうとうをう)が勾玉宝船に帰船した。

はて、天の川の水面(みなも)に映る勾玉宝船の影が揺(ゆ)らぐと中から何かが浮上して来た。

やあ、月影の財船(つきかげのたからぶね)だ。

すると灯台の欄干(らんかん)に留(と)まってゐた生まれ立ての梟鏡(けうきゃう)の子梟(こふくろふ)が、導(みちび)かれるやうに命の定めを司(つかさど)るともされる財船へ入ってゆく。

「さあ、地球へ帰らう!
天女方、お頼み申(まう)す!」

多芽眞守(たがまもり)が言ふと、人魚達の舞が三つ巴(みつどもゑ)の勾玉模様を描いた。

其(そ)の真ん中には、鳥居(とりゐ)と注連縄(しめなは)が合はせ鏡のやうに何処までも列(つら)なる通路が見える。

其処(そこ)へ月影の財船と勾玉宝船が、吸ひ込まれるかの如くに姿を消した。

日本古来(にっぽんこらい)の人世観(じんせいくわん・人生観)を常の理(とはのことわり)、三つ子の魂(みつごのたましひ)、大和心(やまとごころ)、幸ひ世一(さいはひよいち)等と呼ぶ。

一言で言へば世の中を好(よ)くする弥栄(いやさか)の心、意(おもひ・心に昇る太陽)である。

私達は、ただ生きる為に生きてゐる訳ではないといふ事だらう。

忽念(こつねん)、眩(まばゆ)い黄金(くがね)と銀(しろがね)の勾玉が地球の軌道(きだう)に現れた。

勾玉宝船と月影財船が、地球に帰って来たのだ。

噫(ああ)、天球の宝玉(ほうぎょく)、地球。

命灼然(いのちいやちこ)、弥栄え幸ひ世一(いやさかえさいはひよいち)。


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!

天球旅情篇、をはり。
地球慕情篇へつづく。

それでは皆々様、よいお年を。











よいお年を