『なんぞころびやおき 天球旅情篇』(40) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 天球旅情篇』

(40)

峠杣一日・著

伯耆国(はうきのくに)の火神岳(ほのかみだけ・大山だいせん)と出雲国(いづものくに)の佐比売山(さひめやま・三瓶山さんべさん)から、七色の光の柱が太く天高く立ち上(のぼ)ってゐるのが見える。

その光の正体は、火神岳に於(おい)ては空飛ぶ猪(ゐのしし)に跨(また)がった烏天狗(からすてんぐ)達、佐比売山に在(あ)っては雲に乗った弁財天女(べんざいてんにょ)の侍女(じぢょ)達。

それぞれ数へ切れないほどに飛び交(か)ひ、手に手に下げるぶら提灯(ちゃうちん)がその光源(くわうげん)である。

この光の螺旋(らせん)は、勾玉宝船(まがたまたからぶね)出航(しゅっかう)の合図(あひづ)なのだ。

島根嶋(しまねじま・島根半島しまねはんたう・勾玉嶋まがたまじま)からゆらり浮き上がるやうに、十七里(じふしちり・約67㎞)にも及ぶ巨大な弁才船(べざいせん)が姿を現(あらは)した。

そして宍道湖(しんぢこ)と中海(なかうみ)の水中からは、勾玉宝船を背負ふ大龍神(だいりゅうじん)が出現。

両者は、上昇しながら合体する。

宝船の下部(かぶ)から、大根島八手彦(だいこんじまやつでひこ)が操(あやつ)る八手(たこ)と江島千両姫(えしませんりゃうひめ)が操る百足(むかで)が分離。

龍神の背に列(つら)なる装甲部(さうかふぶ)が開くと、宝船の吃水線下(きっすいせんか)を格納(かくなふ)。

次(つ)いで龍神下腹(かふく)装甲部が開き、八手と百足が接続した。

「よし!
世一七福黄金宝船(よいちしちふくくがねのたからぶね)、出立(しゅったーつ)!」

声を轟(とどろ)かせる、八字髭(はちじひげ)の船頭(せんどう)。

彼の名は多芽眞(たがま)。

眞芽多磨自今多芽眞(まがたまじまたがま)だ。


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!

つづく。