(39)
峠杣一日・著
止(や)む事の無い梟鏡磐(けうきゃういは)からの砲撃(はうげき)に、火達磨(ひだるま)と化(くわ)した梟鏡舟(けうきゃうぶね)。
最期場(さいごば)を見極(みきは)めたのか、一直線に梟鏡磐へと突進して行(ゆ)く。
(〽️挿入歌)
「兇闇譚歌」(きょうあんのバラード)
一、
生(い)くる 空(むな)しさ 夕陽(ゆふひ)に 投(な)げて
月夜(つくよ)の 哀(あは)れ 滅(ほろ)びの 唄(うた)よ
二、
幸(さいは)ひ 数(かぞ)へりゃ 泪(なみだ)の 雫(しづく)
手向(たむ)くる 夢(いめ)は 滅びの 花(はな)よ
三、
神(かみ)も 仏(ほとけ)も 人(ひと)の 心(こころ)
破(やぶ)れ家(や) 宿(やど)る 滅びの 宴(うたげ)
ふふ ほほうほ……
四、
草(くさ)の 枕(まくら)に 星降(ほしふ)る 螢火(ほたるび)
誰(たれ)そ 手招(てまね)く 滅びの 明(あか)し
五、
さらば 明日(あす)よ 今(いま)こそ 行(ゆ)かむ
旅路(たびぢ)は 尽(つ)きた 滅びの 風(かぜ)よ
ふふ ほほうほ……
其(そ)の日、焰星(ほのほぼし・火星)の一画(いっくわく)が眩(まばゆ)く光ったのが地球からも観測された。
ふふ ほほうほ……
ふふ ほほうほ……
【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】
いちよあれかし、さいはひよいち。
まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!
つづく。