(34)
峠杣一日・著
鳥取大砂丘沖の日本海。
今、波を打って大空へ飛び立つ巨船は梟鏡舟(けうきゃうぶね)。
邪悪原人首魁(しゅくわい)、兇闇(きょうあん)の大変化(だいへんげ)だ。
兇蔵(きょうざう)、兇然法師(きょうねんほふし)、兇興翁(きょうきょうをう)ら梟鏡教団(けうきゃうけうだん)の面々も乗組員として姿が見える。
「いざ、我等が悲願、果たす秋(とき)ぞ!!」
「ほおおおおーっ!!」
兇闇の声に、邪悪魂(じゃあくだましひ)の喊声(かんせい)が応(こた)へる。
ぐんぐんと高度(かうど)を上げる梟鏡舟。
一息(ひといき)に大氣圏(たいきけん)を突き抜けると、宇宙空間へ飛び出した。
お冥(おみゃう・兇冥きよみ)が居なくては梟鏡魔力(けうきゃうまりき)の本領(ほんりゃう)が発揮(はっき)し切れないと覚(さと)った兇闇は、禁断の奥の手を使ふ覚悟を決めたのであった。
梟鏡舟の旅行く先は天の川(あまのがは)の浮き津(うきつ)、彼(か)の雲漢(うんかん)の灯台(とうだい)の空(そら)である。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210813/17/cocochiyosa/fd/d8/j/o1080081014986316312.jpg?caw=800)
【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】
いちよあれかし、さいはひよいち。
まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!
つづく。