『なんぞころびやおき 天球旅情篇』(35) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 天球旅情篇』

(35)

峠杣一日・著

月面の東屋(あづまや)。

宇宙の至宝(しほう)地球の姿を愛(め)でながら薄茶(うすちゃ)を点(た)ててゐるのは月の女神お玲(おたま)(飯かぐや(いひかぐや)の母)である。

その前に座って居るのは伯耆国火神岳(はうきのくにほのかみだけ)(大山だいせん)の閻魔母神(えんまぼしん)お光(おみつ)と烏天狗(からすてんぐ)の頭(かしら)山刀斎(さんたうさい)の夫婦。

それに出雲国佐比売山(いづものくにさひめやま)(三瓶山さんべさん)の黄金弁財天(わうごんべんざいてん)と侍女(じぢょ)のお市(おいち)である。

と其処へ機関摩天楼(からくりまてんろう)高下駄(たかげた)の乗物が飛来、格納庫(かくなふこ)へ消えると、お玲の妹お夕(おゆふ)と三徳山伏(みとくやまぶし)日出翁(ひのでをう)の夫婦が東屋へ登って来た。

「いやあ、家(うち)の琥珀丸(こはくまる)も搦(から)んで何とも愉快(ゆくわい)な事になっちゃったわ」

お夕が口火(くちび)を切ると、お玲、お光、出雲弁天、お市も堰(せき)を切ってきゃあきゃあ。

銘柄(めいくわ)・月虹宝珠(げっこうほうじゅ)(煉り切り(ねりきり))に舌鼓(したつづみ)を打ち鳴らしつつ、茶会に花が咲くのであった。

「え、その話なの?
今それ?」

といふ山刀斎と日出翁の声は、何処吹く風(どこふくかぜ)と掻(か)き消えるのだった。

その頃、梟鏡舟(けうきゃうぶね)は焰星(ほのほぼし)火星(くわせい)へと舵(かぢ)を取ってゐた。

「ふほう!
第二梟鏡宇宙船足(だいにけうきゃううちうせんそく)!
宜う候(ようそろ)!」


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!

つづく。