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峠杣一日・著
はてさてフォーリン、ここにほの字の上掛け水車(うはがけすいしゃ)が起動(きどう)した。
三徳山伏(みとくやまぶし)の琥珀丸(こはくまる)
は、邪悪原人(じゃあくげんじん)の末裔(まつえい)お冥(おみゃう・兇冥きよみ)に惚(ほ)。
お冥は、白鷲つぶら天狗(しろわしつぶらてんぐ)の圓彦(まどひこ)に惚。
圓彦は、白鷲天狗頭領経法印(しろわしてんぐとうりゃうきゃうほふいん)の娘お幽(おいう)に惚。
お幽は、私(ひそ)かに琥珀丸に惚。
ぽっぽぽっぽの、ほの字の水車。
琥珀丸→お冥↓
↑お幽←圓彦
である。
「ふほう………阿呆臭い(あほくさい)」
機関摩天楼(からくりまてんろう)三機の追撃(ついげき)を辛(から)くも切り抜けてゐた、邪悪原人首魁(しゅくわい)の兇闇(きょうあん)。
現状(げんじゃう)を知ってすっかり氣抜(きぬ)け
してゐたが、やがて手下(てした)を従(したが)へて不屈(ふくつ)の邪悪魂(じゃあくだましひ)で再び哮(たけ)り立つのであった。
「梟鏡大変化(けうきゃうだいへんげ)!!」
おお、藁人形(わらにんぎゃう)から二段変化!
精霊舟(しゃうりゃうぶね)を摸(も)した梟鏡舟(けうきゃうぶね)へと姿を変へた。
それは、20里(り)(約80㎞)にも及ぶ巨船(きょせん)であった。
【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】
いちよあれかし、さいはひよいち。
まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!
つづく。