『なんぞころびやおき 天球旅情篇』(22) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 天球旅情篇』

(22)

峠杣一日・著

「超(てう)!
梟鏡殺法(けうきゃうさっぱふ)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

増殖(ぞうしょく)した兇蔵(きょうざう)と其(そ)の兇刃(きょうじん)が、経法印(きゃうほふいん)達に襲(おそ)ひ掛かる。

と、突如(とつじょ)捲(ま)き起こった旋風(つむじかぜ)。

群(む)れなす兇蔵を一網打尽(いちまうだじん)、片っ端から呑み込んで宙(ちう)へ吹き飛ばすのであった。

風圧に拉(ひしゃ)げる邪眼兇蔵(じゃがんきょうざう)の群れが、邪悪兇蔵を護りつつ其の影に吸ひ込まれて消えた。

「ほおおう、一体何ぢゃあ!」

不屈(ふくつ)の邪悪魂(じゃあくだましひ)で踏ん張り、構へ直す兇蔵。

はて、辺りが急に暗くなったぞ。

何かの影に入ったらしい。

おお、上空に浮かぶ巨大な白い羽団扇(はうちは)。

白鷲天狗(しろわしてんぐ)圓彦(まどひこ)の新造機関摩天楼(しんざうからくりまてんろう)・圓天狗號(つぶらてんぐがう)だ。

先刻(せんこく)の旋風は圓天狗號の必殺技・飄打(つむじうち)であった。

「お頭(おかしら)!」

素面(すめん)の圓彦が、蓮権現転何(はちすごんげんころびなんぞ)と共に雲に乗って降りて来た。

蓮権現の連絡を受けて、息瑤ノ山斎(おきたまのしま・隠岐国)から圓天狗號の試運転を兼ねて飛んで来たのである。

「ほっ!
又(また)も己(うぬ)か!
此(こ)の阿呆鳥(あはうどり)めが!
何ぢゃこりゃ?!
正義の見方が卑怯(ひけふ)ぢゃろが!」

「黙(だま)れ!
社会の屑(くづ)が!」

「ぽーっ!!」

わなわなと震(ふる)へる兇蔵。

そんな状況(じゃうきゃう)を鋭(するど)い眼光(がんくわう)で眺めてゐたお冥(おみゃう・兇冥きよみ)であったが、

「うああっ!」

突然、苦しさうに胸を押さへて頽(くづほ)れ倒れた。

「南無迷妄念々(なむめいまうねんねん)!」

驚いた兇然法師(きょうねんほふし)が機転(きてん)を利(き)かせて、邪眼の煙幕(えんまく)を起こした。

煙(けぶり)の後、梟鏡一味(けうきゃういちみ)の姿は無かった。


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!

つづく。