①
峠杣一日・著
鏡の向かふの自分と、まじまじと向き合ふ。
其処(そこ)に居(ゐ)るのは累代(るいだい)の父母、即(すなは)ち命の自(はじめ)の意(おもひ)を受け継(つ)ぎ宿(やど)した常磐(とこいは)の三つ子の魂(みつごのたましひ)に他ならない。
天球と地球、大宇宙(神仏)と小宇宙(人間)。
鏡は耀(かがや)く三つ子の魂、其の常の命(とはのいのち・永久の命)を鑑(かんが)みる働きでもあるのだ。
三つ子の魂の本質は幸ひ世一(さいはひよいち)、栄える生命である。
自分の命の神鏡(しんきゃう)と、向き合ふ。
其処に感じられる氣吹(いぶき)は、幸(さき)の弥栄(いやさか)に他ならない。
「土」(ど)は五行(ごぎゃう・宇宙の運行)の中央(要かなめ)を意味するが、其の働きは二色(ふたいろ)、常の父母(とはのふぼ・永久の父母)である。
「土」を二つ、上下に重ねても「圭」(たま)、上部と上部とで重ねても「玉」(たま)。
そんな玉なす命を生(い)く生命(八・弥栄)を、「土」(の下部と下部と)に育まれる姿と示したのが「幸」(さき)。
即ち常の現し世(とはのうつしよ・永久の現し世)、幸ひ世一である。
命の自(はじめ)の意(おもひ)の味(あぢ)はひ、実地(じっち)には家の命を生きる事が人世(じんせい・人生)の核心(かくしん・意味)となってゐるのだ。
さて夜空を見上げれば、天球の鏡に煌(きら)めく神仏の鼓動(こどう)が私達の胸に迫(せま)るだらう。
【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】
いちよあれかし、さいはひよいち。
まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!
それでは皆々様、よいお年をお迎へ下さい。
つづく。