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峠杣一日・著
やあ、星空に架(か)かる天の川(あまのがは)に、人魚(にんぎょ)が游(およ)いで居るよ。
彼女達が楽し氣(げ)に戯(たはむ)れるのは二羽の金色(こんじき)の鷲(わし・おほとり)、ああ、鳳凰(ほうわう)である。
やがて鳳凰が羽搏(はばた)き飛び立つと、人魚達は天の羽衣(あまのはごろも)を纏(まと)ふ天女(てんにょ)の姿となり領巾(ひれ)を振って見送るのであった。
此(こ)の天の川の天女達は機(はた)を織(お)る織り姫(おりひめ)であり、七色(なないろ)の雲を織る。
「雨」は一(いち・神様)から生まれる八百万(やほよろづ)を表し、其(そ)の云(めぐり・雲の古字)行(ゆ)く常の命(とはのいのち・永久の命・三つ子の魂)を「雲」と示す。
瑞雲(ずいうん)重ね重ねて弥栄(いやさか)、八雲(やくも)立つは出雲(いづも)と云(い)ふ。
出雲は即(すなは)ち常の命(とはのいのち)の故郷(ふるさと)、日の出の故郷、日の本(ひのもと)の故郷であり、其の中心は意宇の杜(おうのもり)、そして其処(そこ)に立つ霊木(れいぼく)は常磐(とこいは)の大黒柱(だいこくばしら・檍あはぎとも)にして世一七福勾玉宝船(よいちしちふくまがたまたからぶね・島根半島しまねはんたうの神髄しんずい)の帆柱(ほばしら)ともなってゐるのだった。
さて妻夫(めをと)の鳳凰が向かった先は、懐(なつ)かしい私達の地球であった。
今、御魂ケ島(みたまがしま)こと息瑤ノ山斎(おきたまのしま・隠岐諸島おきしょたう)から、金色(こんじき)の光の柱が伸び立つ。
【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】
いちよあれかし、さいはひよいち。
まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!
皆皆様、新年明けまして御芽出度う御座います。
いちよあれかし大明神。
つづく。