『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』(46) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』

(46)

峠杣一日・著

「ふほ、神が何故(なぜ)、人間に肩入れするのか?!
こんな依怙贔屓(えこひいき)、もう沢山(たくさん)ぞ!」

ほざく兇闇(きょうあん)の周(まは)りに、ころころと色取り取りの槌の子(つちのこ)が現れた。

躑躅色(つつじいろ)の鬼槌大明神(みのつちだいみゃうじん)お鬼(おみの)、
菖蒲色(あやめいろ)の篠槌大明神(しのつちだいみゃうじん)お篠(おしの)、
白妙(しろたへ)の門槌大明神(とのつちだいみゃうじん)お門(おゆき)、
褐色(かちいろ)の籠槌大明神(このつちだいみゃうじん)お籠(おこの)、
そして白金色(しろがねいろ)の湯槌大明神(ゆのつちだいみゃうじん)お湯(おゆの)である。

おっと、檍(あはぎ)の上空には島根半島(しまねはんたう)の化身(けしん)たる黄金宝船(くがねのたからぶね)が浮かんでゐる。

すうっと雲に乗って降下(かうか)して来たのは、何と出雲黄金大黒天(いづものわうごんだいこくてん)。

其(そ)の手に眩(まばゆ)い山吹色(やまぶきいろ)の打出の小槌(うちでのこづち)は、叶槌大明神(かのつちだいみゃうじん)お叶(おかな)である。

やあ、野の霊(ののち)野槌(のづち)だ瑤野槌(たまのづち)。

わあい、此処(ここ)に目出度(めでた)く集(つど)ふ八柱(やはしら)、瑤野槌八姉妹(たまのづちはちしまい)なり。

「ぐう、邪悪(じゃあーく)!
魂(だーましーい)!!」

邪悪兇闇(じゃあくきょうあん)、激切(げきせつ)の変化(へんげ)。

残ってゐた上半身(かみはんしん)が眼(め)!眼!眼!の渦(うづ)となって頭(かぶり)をがぶりと呑(の)み込むと、ごろり梟首(けうしゅ)だ晒し首(さらしくび)、梟(ふくろふ)の首へと変化した。

「ふほう!
然(さ)ーらばぞっ!!」

右廻(みぎまは)り、梟首ぐるぐる大廻転(だいくわいてん)、ぶんぶんと唸(うな)りをあげて舞ひ上がると、現世(げんせ)へと通ずる石門(せきもん)へ飛び込んだ。

「ふほほおう!
諦(あきら)めはせぬぞ!
全ての人間に天誅(てーんちゅーう)!!
ちゅーう…ちゅうう…ちゅっ…」


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!

つづく。