『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』(45) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』

(45)

峠杣一日・著

「然(さ)ういふ仕懸(しか)けでしたか」

彼の世(あのよ)と此の世(このよ)との境木(さかひぎ)たる檍(あはぎ)の霊木(れいぼく)から声と共に槌の子(つちのこ)が落ちて来ると、人の姿に変化(へんげ)した。

やあ、打出の小槌(うちでのこづち)の神様、錚槌大明神(かねつちだいみゃうじん)お錚(おかね)である。

途端(とたん)、阿鼻叫喚(あびけうくわん)を発して崩(くづ)れ落ちる梟鏡藁人形(けうきゃうわらにんぎゃう)。

無数の眼(め)の姿に戻り、兇闇(きょうあん)の影の中へ我先(われさき)にと逃げ込んで行く。

影其の物が兇闇の蹠(あしうら)に引っ込むと、鉄輪(かなわ)の燭(ともしび)もふっと搔(か)き消えた。

お錚は野の霊(ののち・野槌のづち)たる神様なのだ、邪悪原人(じゃあくげんじん)に勝ち目は無い。

「ふ、ふほう己(おのれ)!
斯(か)くなる上(うへ)は、再び我が秘術(ひじゅつ)でぎゃほう!!」

突然、兇闇の腹部(ふくぶ)が上下真っ二つに切断された!

下半身(しもはんしん)が眼!眼!眼!とのたうち乍(なが)ら跡形無(あとかたな)く消滅(せうめつ)、上半身(かみはんしん)がどすんと達磨(だるま)落とし宜(よろ)しく地に転(ころ)げた。

や、お錚の手に一挺(いっちゃう)の斧(をの)が握(にぎ)られてあると見るや、萌葱色(もえぎいろ)美しい打出の小槌に変化した。

お錚がブーメランの如(ごと)くに投げて兇闇を打っ手切(ぶったぎ)った彼女は、斧槌大明神(をのつちだいみゃうじん)お斤(おのり)である。


【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

いちよあれかし、さいはひよいち。

まほらよいちそはか、南無あれかし大明神!

つづく。