『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』⑲ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』



峠杣一日・著

空色(そらいろ)の謎の生き物、楕円形(だゑんけい)の胴体に頭と尾(を)が生(は)えてをり、手足は見当たらない。

や、見る間(ま)に焼き餅(やきもち)が脹(ふく)らむ様にぷっくりと丸くなったかと思ふと、ころころとお幽(おいう)目掛けて転(ころ)がり始めた。

そしてついと跳(は)ねると、お幽の両手にちょこんと着地。

「きゃああああっ!」

思はず受け止めてしまったお幽ががくがくと震(ふる)へて卒倒(そったう)せんばかりに尻餅を突く、と其の勢ひにどんと突き飛ばされた蓮権現転何(はちすごんげんころびなんぞ)が雪山の斜面に転(ころ)げ落ちた。

「わああああっ!」

ごろごろと、丸々と成長する雪の玉となって遠ざかって行く蓮大権現(はちすだいごんげん)。

はて、上(のぼ)って来る時には気付かなかったが、転げ行く雪の玉の前方に仁王門(にわうもん)が見える。

ぽおんと跳ねた雪の権現玉、吸ひ寄せられる様に仁王門に呑(の)み込まれると、ふっと姿が掻(か)き消えてしまった。

呆然(ばうぜん)と佇立(ちょりつ)する一行(いっかう)、はっとお幽の掌(たなうら)に目を向けるとあら不思議、瑠璃色(るりいろ)美しい小槌(こづち)が乗ってゐた。

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【よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪】

「いちよあれかし、さいはひよいち」

「まほらよいちそはか!」

「南無、あれかし大明神!」

つゞく。