『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』⑯ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 御魂ケ島篇』



峠杣一日・著

「媛(ひめ)、御(おおん)御免(ごめん)!」

機関摩天楼(からくりまてんろう)純白の羽団扇(はうちは)からぬっと鉤爪(かぎづめ)の付いた腕が伸び出し、お幽(おいう)を捉(とら)へんとす。

羽団扇の起こす雪吹雪(ゆきふぶき)で身動きの出来ぬお幽(おいう)、観念(くわんねん)残念。

「こらーーっ!」

其の時、大空の彼方(かなた)から疳高(かんだか)く透(す)き徹(とほ)る声。

次の瞬間、声の空から現れた巨大な円盤(ゑんばん)が、羽団扇の腕を掠(かす)めて飛び抜けた。

…や、羽団扇の腕が、無い!

断面(だんめん)鮮(あざ)やか、すぱりと斬(き)り落とされた羽団扇の腕が、どぶんと円盤直下の海中に水柱(みづばしら)を立てる。

「うら若き少女(をとめ)を襲(おそ)ふ変態(へんたい)!
不届き千万(ふとどきせんばーん)!」

円周(ゑんしう)に刃(やいば)を具(そな)へた紅色(くれなゐいろ)の円盤、其の上部に仁王立(にわうだ)ちするは女の河童(かっぱ)。

やあ、伯耆国(はうきのくに)の女河童、尻子田魔凜(しりこだ まりん)だ。

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よいこのみんなの合言葉を唱へよう♪

「いちよあれかし、さいはひよいち。
南無、あれかし大明神!」

つゞく。