『なんぞころびやおき 大極楽本尊郷篇』
(22)
峠杣一日・著
「此畜生(こんちくしゃう)っ!」
三途の川(さんづのかは)から執念(しふねん)の跳躍(てうやく)、死力(しりょく)を尽(つ)くして最後の迷妄噴流(めいまうジェット)を破裂(はれつ)させつゝ大空へ飛び上がる迷妄宝船(めいまうたからぶね)。
がらゝゝと外装(ぐわいさう)であった贋宝船(にせたからぶね)と迷ひの大蛇(まよひのをろち)の姿が崩壊(ほうくわい)すると、迷妄宝船(めいまうたからぶね)の正体である禍々(まがゝゝ)しい巨砲(きょはう)、其の名も迷妄灰燼砲(めいまうくわいじんはう)が空中に止(とゞ)まってゐるのだった。
「なにもかもっ!」
「消え果てるがいゝっ!」
「迷妄灰燼砲(めいまうくわいじんはう)、発射っ!!」
(♪挿入歌:まよひのをろち)(三番)
(男女)
われらはをろち まよひのをろち
けふもごちそう のみこむぞ
(男)
うきよのなさけ ほしかった
(女)
ひとのぬくもり ほしかった
(男)
かわくのどから てがでるほどに
(女)
かけらでいゝの ばらいろじんせい
(男女)
ゆめもなさけも かれはてた
われらはをろち まよひのをろち
![190704_190943.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/19/cocochiyosa/82/99/j/t02200165_4128309614491639363.jpg?caw=800)
つゞく。