『なんぞころびやおき 大極楽本尊郷篇』⑮ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 大極楽本尊郷篇』



峠杣一日・著

迴門號(くわいもんがう)の体当たりで翻筋斗(もんどり)を打って、月虹大河(げっこうたいが)たる三途の川(さんづのかは)に墜落(ついらく)した迷妄宝船(めいまうたからぶね)。

浄土(じゃうど)の呼び水(よびみづ)に阿鼻叫喚(あびけうくわん)、しかし何と融解(ゆうかい)して行く体でのたうちまはりながらも迷妄噴流(めいまうジェット)全開で空中へ飛び上がると、其のまゝの勢(いきほ)ひで迴門號(くわいもんがう)に体当たり仕返した。

「仕舞(しま)うた、油断したっ!」

歯を食ひ縛って操舵輪(さうだりん)に齧(かじ)り付く胡蘆駒福兵衛(ころこまのふくべゑ)であったが、迴門號(くわいもんがう)は一直線に的(まと)を射(い)る様に骨肉小屋(こつにくごや)の物見櫓(ものみやぐら)に突き立った。

土煙(つちけぶり)を上げて崩落(ほうらく)する物見櫓(ものみやぐら)、骨肉小屋(こつにくごや)も木っ端微塵(こっぱみぢん)に吹き飛んで了(しま)った。

「ぎゃはゝゝゝっ!」

「ぷほーっはほゝゝゝっ!」

「様(ざま)ぁ虫螻(むしけら)っ!」

腹筋(はらすぢ)を縒(よ)る迷妄宝船(めいまうたからぶね)、滑(ぬめ)りと迷妄蘇生(めいまうそせい)の脱皮(だっぴ)を始めるのであった。

190704_190943.jpg

つゞく。