『なんぞころびやおき 大極楽本尊郷篇』⑬ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 大極楽本尊郷篇』



峠杣一日・著

迷ひの衣(まよひのころも)に憑依(ひょうい)して三途の川(さんづのかは)に侵入(しんにふ)して来た迷ひの大蛇(まよひのをろち)、鎌首(かまくび)を分裂(ぶんれつ)させながら完全な姿へと迷妄変化(めいまうへんげ)を続けてゐる。

しかし三途の川(さんづのかは)は月虹の水(げっこうのみづ)の大河(たいが)、迷ひの大蛇(まよひのをろち)の体は忽(たちま)ち祓(はら)ひ清(きよ)められ鎮(しづ)められて頽(くづほ)れる様に水面(みなも)に消え去って行く。

最早(もはや)自滅(じめつ)であらうかと思はれた時、更なるどす黒い迷ひの衣(まよひのころも)の群れが大浪(おほなみ)の如くに押し寄せ、迷ひの大蛇(まよひのをろち)に覆(おほ)ひ被(かぶ)さるのであった。

「苦(く)破(は)ゝゝゝ、迷妄合体(めいまうがったい)…」

三途の川(さんづのかは)に垂(た)れ籠(こ)める不穏(ふをん)な黒雲(くろくも)、其の中からゆっくりと姿を現したのは、迷ひの大蛇(まよひのをろち)と贋宝船(にせたからぶね)とが融合(ゆうがふ)した迷妄宝船(めいまうたからぶね)であった。

どす黒い迷ひの衣(まよひのころも)の群れには、迷ひの大蛇(まよひのをろち)のみならず贋宝船(にせたからぶね)も潜(ひそ)んでゐたのだ。

月虹大河(げっこうたいが)の三途の川(さんづのかは)に、勝ち誇った様に影を落とした迷妄宝船(めいまうたからぶね)が不氣味な薄笑(うすわら)ひと共に宙に浮かんでゐるのだった。

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つゞく。