『なんぞころびやおき 大極楽本尊郷篇』⑫ | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 大極楽本尊郷篇』



峠杣一日・著

暗闇色(くらやみいろ)の迷ひの衣(まよひのころも)の一団が、三途の川(さんづのかは)の水面(みなも)を游(およ)ぐかの様にどんぶりざぶゝゝと一点に集まって行く。

「むゝ、此れはいかんぞ」

骨肉眼鏡(こつにくがんきゃう)が骨肉小屋(こつにくごや)の物見櫓(ものみやぐら)から颯(さっ)と宙(ちう)に身を躍(をど)らせると、お錦(おかね)と骨肉童(こつにくわらべ)達もぴょんゝゝゝと飛び出して暗闇色の迷ひの衣(まよひのころも)目掛けて賽の河原(さいのかはら)を直走(ひたはし)る。

「苦(く)ゝゝ、迷妄変化(めいまうへんげ)…」

ひとつに絡(から)み合って行く暗闇色の迷ひの衣(まよひのころも)、見る間(ま)に物見櫓を見下ろす程に脹(ふく)れ上がると、ぬらり迷ひの大蛇(まよひのをろち)の姿が現れた。

まんまと迷ひの衣(まよひのころも)に取り憑(つ)き、三途の川(さんづのかは)を破壊せんと紛(まぎ)れ込んで来たのだ。

さても此奴(こいつ)は一大事(いちだいじ)。

三途の川(さんづのかは)は、骨肉一家(こつにくいっか)は、蓮権現転何(はちすごんげんころびなんぞ)達一行(いっかう)の運命や如何(いか)に。

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つゞく。