『なんぞころびやおき 女神御前篇』(24) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき 女神御前篇』

(24)

峠杣一日・著

少々時間を遡(さかのぼ)り、あれかし山(あれかしやま)。

「あらゝゝ、また派手にやってるわねえ」

峠杣屋敷(たうげそまやしき)の地下からもくゝゝと立ち上(のぼ)る土煙(つちけぶり)を楽しさうに噴き出し乍(なが)ら眺めて、風呂敷包みを抱へてやって来た媼(おうな)は無尽蔵燈(むじんざうあかり)、螢火のお総(ほたるびのおふさ)の母である。

燈(あかり)はあれかし山の麓(ふもと)にある常鏡寺(じゃうきゃうじ)は無尽蔵家(むじんざうけ)の跡取り娘であり、やがて婿(むこ)の恒徳(つねのり)を随(したが)へて切り盛りし、今は息子で螢火のお総(ほたるびのおふさ)の兄の渡(わたる)に住職を引き継いでゐた。

鬼燈(ほゝづき)さんと皆から道号(だうがう)で呼ばれてゐる燈(あかり)、一日翁(いちにちをう)とは中学校の同級生であった。

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つゞく。