『なんぞころびやおき 女神御前篇』
⑲
峠杣一日・著
豆鼕翁(とうゝゝをう)の姪っ子(めひっこ)お豊(おとよ)の豆鼕変化(とうゝゝへんげ)、豆鼕四輪(とうゝゝよんりん・でんゝゝぶうゝゝ)が姫山(ひめやま)の弁天御殿(べんてんごてん)に到着。
豆鼕変化を解(と)いたお豊(おとよ)を頭の上に乗せた蓮権現転何(はちすごんげんころびなんぞ)と、ころちゃんを抱っこした鬼火のお鈴(おにびのおすゞ)、やって来たのは此の四人であった。
「あら、まあ、本当に瑤大蛇(たまをろち)なのね」
姫山弁天御殿には、世にも珍しい瑤大蛇(たまをろち)の児瑤大蛇(このたまをろち)の小蛇(ころち)のころちゃんの話を聞き付けて興味津々、近江國(あふみのくに)の弁財天と侍女(じぢょ)のお島(おしま)も駆け付けて居た。
姫山(ひめやま)の弁財天とお市(おいち)を筆頭(ひっとう)とする三十二人の侍女も集まり、きゃっゝゝゝと囂(かしがま)しく盛り上がる弁天御殿である。
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つゞく。