『なんぞころびやおき』
(56)
峠杣一日・著
さて、彼等が神山(かみやま)と呼ぶ山は、火神岳(ほのかみだけ)、大神嶽(おほかみのたけ)、大神山(おほがみやま)等とも称する伯耆大山(はうきだいせん)である。
火も大神も、生命や太陽を示す日であるから、常の理(とはのことわり)三つ子の魂の一(いち)である。
其処で、常の理(とはのことわり)を象徴(しゃうちょう)する神山(かみやま)を一の山(いちのやま)とも呼んでゐる。
神山屋敷(かみやまやしき)に着いて一服(いっぷく)、神山名物・宝珠饅頭(ほうじゅまんぢゅう)(伯耆宝珠饅頭)を手に手に寛(くつろ)ぐ一行。
すると。
「噫(あゝ)、大御神(おほんかみ)よ!
うおゝゝゝゝゝっ!」
俄(にはか)に、咽(むせ)び泣く叫びが一面の空氣を引き裂いて轟(とゞろ)めくのであった。
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つゞく。