『なんぞころびやおき』
(55)
峠杣一日・著
豆鼕氣球(とうゝゝきゝう)、でんゝゝバルーンの一行が神山(かみやま)に近づいて行くと。
「やあ、ようこそ御一行。
いざ、此方(こちら)へ」
宙を飛びながら、氣球の先導(せんだう)に現れた烏天狗(からすてんぐ)。
春、漆黒の羽団扇(しっこくのはうちは)、機関摩天楼大天狗(からくりまてんろうだいてんぐ)を操(あやつ)ってゐた神山(かみやま)の烏天狗、氷刃丸(ひょうじんまる)である。
子供達とありがちょっぷを交はしながら空を駆ける、ちょっぷ天狗のお兄さんだ。
やがてすいと下降して行く先に、神山屋敷(かみやまやしき)が見えて来た。
![190523_180745.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20190523/18/cocochiyosa/dc/c2/j/t02200165_4128309614415011231.jpg?caw=800)
つゞく。