『豆鼕講座』(お豆さんの豆講座)
第六十五回:尊厳(そんげん)
峠杣一日・著
たふとくおごそかなるは、常の命(とはのいのち)・常の理(とはのことわり)である。
即ち人生とは、生命の尊厳を現す事とも言へる。
「父×母=子」
「精神×肉体=生命」
「未来×過去=現在」
生命とは三つ子の魂でひとつ、一(いち)である。
其れは常の理(とはのことわり)の令(みことのり)(令の口アリカが命)を生きる事であるから、此の根幹が育まれてゐなければ人心は歪(ゆが)まざるを得ない。
殊(こと)に、本来親の働きに結ぶ金(きん・かね)や性(せい・さが)について歪(ひづ)みが出やすくなる。
然(さ)れば、生命の尊厳を自(みづか)ら害(そこな)ふ事ともなる。
どうやって生まれて来たのか、どうやって育まれて来たのかといふ事に思ひを致し、願はくは大(おほ)らかに常の理(とはのことわり)を育む和(やは)らぎの世に結びたい。
あゝ、いちよあれかし。
つゞく。