『なんぞころびやおき』(33) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき』

(33)

峠杣一日・著

月虹豆鉄砲(げっこうまめでっぱう)の弾丸が贋宝船(にせたからぶね)に炸裂(さくれつ)すると、超掘鑿ドリル爆弾(てうくっさくどりるばくだん)は雲散霧消(うんさんむせう)。

次いで巨大な空目玉(そらめだま)に一瞬だけ澄(す)んだ眼(め)の光が点(とも)ると、歓喜(くわんき)と悔恨(くわいこん)の入(い)り交じった叫びを泪(なみだ)と共に発して、大空に花火の如く砕(くだ)け散った。

月虹の水(げっこうのみづ)は、生命の順行を潤(うるほ)す。

迷ひの大蛇(まよひのをろち)が消滅する瞬間、彼等は順行の正氣(しゃうき)に返り、いとも懐かしい常の故郷(とはのふるさと)を見たのであった。

其の滂沱(ばうだ)は一時(ひとゝき)、車軸(しゃぢく)を流す雨となり、やがて、虹が立った。

つゞく。