『なんぞころびやおき』(32) | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。


『なんぞころびやおき』

(32)

峠杣一日・著

「待てい!」

天地(あめつち)を揺(ゆ)るがす、裂帛(れっぱく)の大音声(だいおんじゃう)。

見よ、贋宝船(にせたからぶね)の行(ゆ)く手に浮かぶ蛍火(ほたるび)の乗り物。

其の鈴の形をした灯(あか)りの上に、仁王立(にわうだ)ちで豆鉄砲(まめでっぱう)を構(かま)へるのは峠杣(たうげそま)の一日翁(いちにちをう)だ。

「月虹豆鉄砲(げっこうまめでっぱう)、そいやっ!」

今、月虹の水(げっこうのみづ)を充填(じゅうてん)した弾丸(だんぐわん)が、贋宝船(にせたからぶね)の真正面(ましゃうめん)へと放(はな)たれたのであった。

つゞく。