『なんぞころびやおき』
(28)
峠杣一日・著
「何(なんぞ)の旦那(だんな)、あれは贋宝船(にせたからぶね)ぢゃないか。
どうしてこんな地上まで這入(はひ)り込んでんだい」
異変に気付いたお鈴(おすゞ)が、母屋(おもや)から飛び出して来た。
「うゝむ、どうやら宇宙空間で討(う)ち漏(も)らした様ぢゃの。
こりゃ、いかんぞ」
「あんた!」
お鈴が母屋に振り返って呼び掛けると、余一(よいち)が引き攣(つ)った面持(おもゝ)ちで駆(か)け付けて来た。
![190407_154014.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20190407/15/cocochiyosa/d0/43/j/t02200165_4128309614386747923.jpg?caw=800)
【魔音】(まおん)(尻子田魔音)
伯耆国は黒坂の里に住まふ河童娘。魔太郎の妹、魔凜の姉。
つゞく。