『あれかし大明神 (扨抑物語 第二幕 99)』 | 『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

『さいはひよいち』日本古来の人生観 常の理三つ子の魂 島根半島は勾玉宝船 山陰(島根鳥取)はたまをろち瑤大蛇 あれかし山の峠杣一日・著

島根県松江市東出雲町、あれかし山の峠杣一日です。
島根半島(島根島)は勾玉宝船、山陰(東方鳥取瑠璃光藥師少彦名神、西方島根極樂阿弥陀大国主神)は瑤大蛇(たまをろち)。常の理(とはのことわり)あれかし大明神鎮まる意宇の古都から常の親子(085)の物語を書いてゐます。

あれかし大明神
~扨抑物語 第二幕 99
峠杣一日・著

九十九、

天の川に住む銀(ぎん)の鯛(たひ)の群れが、黄金の宝船(くがねのたからぶね)の金(きん)の鯛の群れと入り交じって舞ふ。

船を先導する、大きな白金(しろがね)の鯛と黄金(くがね)の鯛とが、高く、宙に跳(は)ねた。

龍の咆哮(はうかう)が汽笛(きてき)と鳴る。

黄金の宝船(くがねのたからぶね)が、天の川の浮き津(うきつ)を発(た)つ。

綾布の短冊を天の羽衣(あまのはごろも)と纏(まと)った天の川の鯛達が、人魚(にんぎょ)に姿を変へて手を振る。

おや、川面(かはも)に虹色の波紋が立ち、茅の輪(ちのわ)の如く渦(うづ)となる。

其の中心から、ぽっとひとつの火が現れた。

と見るや、一直線に黄金の宝船(くがねのたからぶね)に飛び込んで来た。

火は、帆桁(ほげた)の上に止まって、離れて行く天の川をじっと、名残(なごり)の袖(そで)で見詰めて居る様に見える。

後(のち)に、鬼火(おにび)のお鈴(すゞ)と呼ばれる命の火である。

つゞく