あれかし大明神
~扨抑物語 第二幕 82
峠杣一日・著
八十二、
八百万(やほよろづ)の御魂(みたま)が打ち揃(そろ)って畏(かしこ)まり、斎場(ゆには)に祈り、誓(ちか)ひを捧げる。
室原(むろはら)は命の母なる八岐の泉(やまたのいづみ)であり、今、年に一度の祭が行はれて居るのだった。
古来(こらい)、泉を母、石(いは)を父とも呼ぶ。
出雲国(いづものくに)と伯耆国(はうきのくに)、隠岐国(おきのくに)の代表となるのが、八岐の泉と黄金(くがね)の宝船である。
つゞく