若葉萌  | ryo's happy days

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思い切り人生を楽しむこと。これが全ての私。

照葉樹二期の同人の方の原稿が来たので、今日から推敲に入る。ただ、自分の
小説も推敲中で、これは少し頑張らないと、と気合を入れている。
午後からピアノレッスン。今日はお天気も良いしお迎えを断って歩いて行く事にした。3000歩未満
 若葉萌え君も瞳も緑なる
連載小説「蒼の記憶4」
 リーフは修司の親の代からの小さいながらも老舗の喫茶店で、修司は高卒で一時期勤めに出ていたがみつきと一緒になってからは会社を辞めて親父さんの店を継いでいたから、篤で三代目ということなのだろうか。
「すみません、親父がちょっと訳ありで…」
「修司、どうかしたの?」
 客が退いてから篤が話しだした言葉に、そんなことが…、と胸が詰まった。
「親父、若年性アルツハイマーなんですよ。それもかなり重症なんです」
「ええっ、全く知らなかったよ。あの元気者のラガーマンの姿以外想像つかないもの」
 言いながら壁に掛かった額縁を指差す。高校三年の春のインターハイで全国制覇を成し遂げたときの緑と白のストライブは汚れもそのままに、あのときの湧き上がる歓声が蘇るようだ。
「それが、残念ながらそうなんですよ」
「で、いつから」
「はい、もう五年近くになりますね。始めのうちは僕と妻とが親父と同居の形をとって、まぁまぁなんとか生活は出来ていたんですが、かなり、進んでしまって今は糸島の方の施設で世話になっています」
「そんなに悪いの」
「はぁ、当初は親父のつまんないおとぼけか、ぐらいに思ってたんですよねぇ。話をしていても微妙に会話が噛み合わないなりに調子を合わせてくるものだから、まさかこの若さで認知症が始まった? なんて妻とも笑ってたんです。それがみるみる進行して、そのうち出かけても家を忘れるし、いつ飯をくったかも忘れるようになり、突然怒り出したりと手に負えなくなってですねぇ、お得意の珈琲を淹れることさえ、途中でなにやってんだかわからなくなるもので、本人もパニック起こすし、そんな、なにやらかにやらで、やむなく施設に入れました」