ヴェルンヘル
「Xさんの魔力が込められた特殊な弾で、量産ができないから俺は二発、母上が数発持ってる。これは、通常の戦闘では使わない極めて稀な戦闘で使うことを想定されている」
リンゴ「……それは相手が魔法使いの時?」
ヴェルンヘル
「そう。指名手配されるくらい、凶悪な魔法使い………もしくは、自身の魔力を制御できず暴走した者を止める時」
これはXことレイラが作った弾です。
レイラはその弾を死ぬまで作り続けていたので
このヴェルンヘル殿下が言ったより当然年々数が増えています。
この弾が使われたのは
国際手配されている風使いの魔女にヴェルンヘルが使っています。
ヴェルンヘル陛下になった時、使用されなかったエティ陛下の弾も受け継いでいるため、数十発は所持していたもよう。
一発でも受けると魔法使いは防御魔法を展開してもそれも溶かして致命傷を与えるという威力の高いものです。
「そう。指名手配されるくらい、凶悪な魔法使い………もしくは、自身の魔力を制御できず暴走した者を止める時」
ここでヴェルンヘルがいう
自身の魔法を制御できず暴走した者を止める時。
風使いの魔女ベルメル、ヴェルンヘルがどうして1人で対処しようとしたのか、みなさんお気づきだろうか。
もしも武術職総出で戦闘になった場合、龍騎士のリンゴも当然参戦することになる。
その場合、リンゴとベルメルの相性が最悪だった。
風と火
エルネア王国が業火に焼かれる未来を、ヴェルンヘルは容易に想像できたに違いない。
その責任を感じたリンゴがどうなってしまうかも。
もしもリンゴがベルメルとの戦闘中、頭に血がのぼり自身の魔法を制御できなくなってしまったら。
レイラはそのことも想定していた。
不安定であるリンゴの力は実戦向きではない。
万が一の時は、魔法使い殺しの弾でリンゴを殺さなくてはならないとヴェルンヘルは考えていた。
だから、ヴェルンヘルは風の魔女を1人で対処するという無謀な行動に出たのでした。
*ヴェルンヘル殿下の時代のリンゴはまだ魔法に関して特になにもでていないので、殿下があの発言をした時はリンゴのことを指していたわけではありません。
自身の魔法を制御できず暴走した者
🟰リンゴ
ヴェルンヘルはリンゴに魔法の素質があることを知ってからずっと頭の隅にその心配をしながら過ごしていたのです。
ifストーリーとして考えた最悪の結末では
ヴェルンヘルではリンゴに命中させることが難しく、ティアゴに銃を渡し、ティアゴがリンゴを射殺することになったと思います。
暴走した魔法使いを止めるには、それしか方法がないという苦渋の決断です。
誰も幸せになれない未来を予想して、ヴェルンヘルは風の魔女に1人で立ち向かいました。
国王としては、正しい行動ではありません、
それでも1人の人間としてその行動を選択して実行したのでした。