任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
登場人物の紹介です。
掃討作戦当日。
レドリー君が声をかけてくれます。

レドリー「リンゴちゃん頑張ってね!」
リンゴ「ありがとう!」
ティアゴたち各代表は本日評議会もあるため時間を変更して朝2刻から評議会。
ヴェルンヘルは差し入れをくれた。
ヴェルンヘル
「気をつけてね..」
リンゴ「大丈夫!みんなのことは私が守るよ」
朝3刻
国の外に繋がる門に、山岳兵団、騎士隊、魔銃師会が勢ぞろいしていた。
隊列を組んで、皆各代表の前に整列する。
エルネア城の前でも以前このような光景があった。
その時は、各部隊から5名ずつの選出だったが、今回は武術職の総当たりでの出撃となる。
皆、緊張してその時を待っていた。
ティアゴはリンゴを手招きして自分の後ろに立たせた。
ティアゴ「俺の後ろにいてね。」
真摯な眼差しを向けて言い含めるように言った。
リンゴ「分かった」
コクリと頷く。
ティアゴ
「リンゴは強いから、期待してるよ」
ティアゴはリンゴの肩をぽんと叩いた。
リンゴ「うん!」
見上げるとティアゴの横顔がいつもより緊張しているように見えた。真っ直ぐ前を見据えて、口を一文字に結んでいる。
リンゴ
(..いつも余裕な感じのティアゴ君が..緊張してる..)
3部隊のうち、1部隊を任され、2部隊の援護が主な役割である導師隊を指揮する立場となれば緊張するのも無理はない。ティアゴはこのような作戦の経験はなかった。
Xさんが、魔銃師会の人たちに魔導カートリッジを配っていた。リンゴもそれを受け取った。
X「導師が用意してくれた、毒霧が出たときに使うものなの。魔銃に装填して使うのよ。万が一のために持っておいて。これは自分たちというより援護に使うから」
リンゴ「ありがとうございます」
リンゴは魔導カートリッジをまじまじと見た。
「ティアゴ君が作ったの?すごいねぇ」
ティアゴ
「作り方覚えれば簡単だよ。量産は面倒だったけど..あ、リンゴには無理か」
昨日のことを思い出し、ティアゴは僅かに頰を緩ませた。
リンゴ
「返す言葉もない...どーせ調合下手ですよぉ..」
ティアゴ
「リンゴと話してると力が抜ける..」
リンゴ「むー..ひどい..」
頰を膨らませてティアゴを恨めしそうに見上げた。
ティアゴ「おかげで緊張がとけたよ」
と、楽しげに笑った。
龍騎士の装束に身を包んだバルナバが前に出て、隊列を組む部隊を見回した。
「おはようございます。掃討作戦の指揮を任されたバルナバ・マルチネスです。作戦中は、私や各部隊長の指示に従って下さい。
外にいる敵の数はゆうに千を超えています。我々の目的は、その数を一体でも減らすことです。瘴気が減っても個体数は減りません。増え続ける魔物を減らし、今後の脅威にならないようにするのが我々の任務となります。
我々は最初、全員で一団なり打って出ます。その後、戦況に応じて三部隊に別れ、撃破していくことになります。各部隊、連携して全員無事に帰還しましょう。よろしくお願いします。」
外界に繋がる門が静かに開いた。
門の外は不気味なほど静まり返っている。
バルナバの山岳兵団が先頭になって、進んでいく。
門を出たばかりの山岳兵団の部隊が声をあげた。
戦闘が、開始された。
リリー「皆駆け足!山岳兵団を援護せよ!」
残りの部隊が城門の外に出る。目の前に広がる荒野には、無数の魔物が蠢き、近くにいた魔物たちは山岳兵たちにとびかかっていた。
ティアゴ
「魔銃師会!構え!」
ティアゴの合図に銃を持つものたちは銃口を魔物に向けた。
「放て!」
一斉に魔銃の音が荒野に響き渡る。魔銃で怯んだ魔物を山岳兵団や騎士隊が斬り伏せていく。
ティアゴ「各自判断して、援護射撃せよ!」
門を出た時点で、周囲にはかなりの数の魔物が潜伏していた。
すぐに乱戦となり、リンゴたちも接近戦となった。
ティアゴ
「隣の人と示して落ち着いて各個撃破せよ!普段のダンジョンと同じようにやれば問題ない!」
X「バルナバ部隊の後方に、新たな魔物を確認!可能な人は迎撃して!」
リンゴは山岳兵団の方に移動し、魔物を狙って撃ちたおす。
「危ない!」
セシィーの剣が、リンゴのすぐ近くで魔物を斬り伏せた。遠くを狙っていたリンゴたち魔銃師会をやはり魔物が懐めがけて攻撃してきた。
リンゴ
「あ、ありがとうございます!」
魔銃師会に入ったばかりではあるが、カンストしているルークも大活躍していた。
魔物は無惨に燃えて消えていく..
カンストしているのは、X、カリナもいる。カンスト間近のティアゴもいて、戦力的には問題なかった。
どのくらい経ったのか、騒然としていたのが静かになった。
門周辺の魔物の殲滅が終わった。
バルナバは目を凝らして荒野を見ていた。
「ヤバそうなのがいるな...」
炎獄の巣窟にいるフレイムマキュラなどの魔人たちの姿が遠くに見える。
その後ろに、フレイムマキュラより上位の魔人の姿もあった。
「まずい!」
魔人から何かが放たれた。
「総員!衝撃に備えよ!」
バルナバの叫び声と共に、光の玉が飛んできた。ティアゴは光の玉の着弾先に気づいて舌打ちした。
ティアゴ
「ここを狙ってる!みんな散って!!」
光の玉は、後方にいる導師隊を狙っていた。ティアゴはリンゴの腕を掴んで逃げ出した。みんなが散り散りに逃げたところに光の玉が着弾し、
大きな衝撃音と地響きがして、離れた場所にいた騎士隊もバランスを崩して倒れる者がいた。
魔人たちは、次々と光の玉を放って攻撃してきた。
エドモンド
「この玉、当たったらヤバイぞ!!」
少し焦った声が少し離れた場所からした。
導師隊が散り散りに逃げた先に魔人が先回していた。ティアゴとリンゴはすぐさま交戦する。
倒したところを再び光の玉が飛んできた。ティアゴとリンゴの近くに着弾し、二人は衝撃で地面に転がった。
起き上がろうとするところを魔人が殴りかかってきて、リンゴは魔銃で間一髪受け止める。
立ち上がったティアゴがその魔人に魔銃を撃ち込み、魔人は消滅した。
休む暇もなく、無数の魔人が導師隊を囲んでいた。
リンゴ(この魔人たち、ティアゴ君を狙ってる..?)
導師隊の中でもティアゴとリンゴのいるほうに魔人が集中していた。
リンゴ
(この部隊の指揮官がティアゴ君だって分かってて潰しにかかってる..?まさか魔人がそんな事考えて攻撃してくるの..?)
「危ない!」
誰かの叫び声が聞こえた。
見上げると上空から再び光の玉が飛んできている。仲間の魔人が交戦していても、おかまいなしに攻撃してきたのだ。
逃げたくても、目の前にも後方にも無数の魔人がいて身動きがとれない。
ティアゴ「伏せて!!」
リンゴは慌ててその場に伏せると、ティアゴはリンゴに覆い被さった。光の玉が着弾し、轟音と共に地面が揺れ、嫌な鈍い音がして、リンゴに覆いかぶさる人の重みが増した。
少しの沈黙のあと、リンゴはハッとして身体を起こそうとするがティアゴの重みで起き上がれなかった。
リンゴ「..大丈夫?ティアゴ君..」
おそるおそる声をかけると、ティアゴはゆっくりと上体を起こした。リンゴもそれに倣うように顔を上げると、地面に血がポタッと落ちた。
驚いてティアゴを見上げると、彼の頭から血が流れ出ていた。
足に何かが刺さり、顔を歪めていた。
バーニー
「このままじゃ導師隊がやられる!」
アリス
「あの変な遠距離攻撃を止めないと、国の外壁にも影響が..!」
バルナバ
「仕方ない!魔人たちに突撃するぞ!」
バルナバは騎士隊に向かって叫んだ。リリーは力強く頷いた。
「これより、突撃を開始する!我に続け!」
バルナバが声を張り上げ、「おおー!」と皆が大声で答えた。
バルナバ隊とリリー隊が、一斉に走り出した。
それを見たXは
「うちが混乱してるから魔人を止めにいってくれてるのね..って導師?!」
ティアゴを振り返り、Xは怪我をしていることに気づいた。
ティアゴ
「大丈夫です、たいしたことないので..それよりリリーさんたちの援護を」
X「ここの指揮は私がするから!その間、リンゴちゃん!後ろに下がってティアゴの治療を!」
リンゴ「分かりました!」
リンゴはティアゴの腕を自分の肩に回して、後方に下がった。
その間も、光の玉が近くを着弾し、衝撃で傷口が痛むのをティアゴは耐えていた。
魔物が全くいない場所の岩のかげにティアゴを座らせると、
リンゴ
「ティアゴ君、大丈夫?傷口みせて」
素早く回復薬や薬草を取り出した。
ティアゴ
「治療なんかいい...」
リンゴ「え?!」
ティアゴ
「治療なんかしなくていい...死ぬならリンゴを抱いてから死にたい」
ティアゴはリンゴの背中に腕を回して抱きついてきた。
リンゴ「!?」
手に持っていた薬草を落としそうになるほど動揺した。
X
「アホなこと言ってないで治療を受けなさい!このスケベ導師!」
いつのまにかやってきたXがティアゴの頭をポカリと叩いた。
リンゴ
「ティアゴ君、頭打ったみたいです..」
ティアゴに抱きつかれたままリンゴが言った。
実際、頭から血を流しているので頭になにかしら衝撃はあったことは間違いないが。
人前でこんな事を絶対にしないティアゴが、Xに見られたということはそれだけ周りが今見えないくらい平静ではないのかもしれない。
X
「そんな事言う元気があれば大丈夫ね..リンゴちゃん、応急処置お願いね。」
呆れながらXが言った。リンゴは動揺を隠しながらしっかりと頷いた。
リンゴ「はい!」
X
「ティアゴはリンゴちゃん襲わないでちゃんと治療受けなさいよ。襲うなら治療うけて魔物を襲いなさい!」
ティアゴ
「分かりました..」
Xは走って前線に戻っていく。
エドモンド
「ーー本当にスケベなんだ…」
エドモンドの声がしてようやくティアゴがリンゴから離れた。後退したティアゴたちの身辺に魔物がいないか見にきてくれたらしい。
ティアゴは反論するのかと思えば、特に言い返しもせず、自分で回復薬を使い出したのでリンゴが慌てて治療を始めた。
治療をおえて、リンゴはまたティアゴの腕を自分の肩に回して前線に戻った。
導師隊は、援護射撃に尽力していた。リリー隊とバルナバ隊は無数のフレイムマキュラたちと交戦していた。ティアゴはリンゴに「ありがとう」といい、リンゴから離れた。
ティアゴ
「俺たちも少し前に出て前線を押し上げる!」
導師隊の先頭に立ち、ティアゴが声を張り上げた。
導師隊が立て直して、リリー隊とバルナバ隊に近づいていく。
ティアゴが戦線に復帰したことで導師隊の士気が上がり、それに伝染するように他の隊の士気もあがった。
フレイムマキュラを早く倒して後方に控える上位の魔人を撃破しなくてはならない。
大混戦になって、それぞれが目の前の敵と戦っていた。
バルナバ隊のバーニスも善戦していた。カンストしているバーニスでも苦戦するほど敵の数が多かった。
若手の山岳兵も善戦しているが、疲労の色がみえはじめた。
連携が僅かに緩みだした。
その隙ができるのを、まるで知っていたかのように魔人の攻撃が若手を襲った。
「危ないー!」
バーニスが身を呈して、アルシアやアラルコス、ティム達若手を庇った。
バーニスの声に振り返ったバーニーの眼前で血が飛び散った。
バーニスの身体が、荒野の地面にどさりと倒れた。
バーニー「バーニス!!」
バーニーは魔人をなぎ倒してながら、バーニスに駆け寄った。
アラルコスたちは顔を青くしながら、魔人たちを食い止めていた。
イマノル「バーニスさん!!」
バーニー「バーニス!大丈夫?!」
抱き起こしたバーニスの白い服が赤く染まっていた。
バーニスは目を閉じ僅かに苦しげな声をあげてぐったりとしていた。
バーニー
「バルナバさん!バーニスが負傷した!!」
バルナバ
「っ..!バーニスを後方に運べ!導師隊が援護してくれるはずだ!」
バーニー「分かった!」
バーニーはバーニスをおぶって、全力で門の方に走りだした。
誰かを背負って走りだして後退していくバーニーにティアゴは気づいた。
ティアゴ
「あれは、バーニーさんとミラー隊長?!ミラー隊長が負傷したようだ!皆、バーニーさんの後退を援護しろ!絶対に敵の追撃を許すな!」
ティアゴの指示で導師隊は、バーニーを狙う敵を確実に撃破していった。
無事に門まで後退したバーニーは、待機してきた国民による医療チームにバーニスを託し、再び前線に戻っていった。
戦闘は激化していた。
リリーの身体がぐらりと傾いた。セイディも顔を青くして立っているのもやっとの状態。
バルナバ「・・なんだ?これは..」
異変に気付いたバルナバは頭上を見上げた。魔人の魔法攻撃により、頭上に毒霧が発生して、皆ポイズン状態になっていた。
すぐさまアンチドートで回復を試みるが毒霧があるためすぐにポイズン状態に陥った。
ティアゴ
「カートリッジを配ったものに変更せよ!リリー隊とバルナバ隊の頭上に向かって放て!」
皆素早くカートリッジを取り替えると、次々と発砲した。
毒霧が、次第に薄くなっていく。
ティム
「へえ、やるじゃん、導師隊」
的確な援護もあって、徐々に魔人たちは後退し、押されていった。
後退していく魔人たちと入れ替わるように見かけない魔物の軍勢が前進してきた。
その口から光が充填され、一斉に光が光線のように放たれた。
リリー隊とバルナバ隊は、その光線をもろに浴びて目を開けることができない。
ティアゴ
「導師隊!リリー隊とバルナバ隊の前へ!」
ティアゴは魔銃師会を2部隊の盾にする選択をした。
導師隊はリリー隊たちの間を走り抜け、魔物の攻撃を受け止めた。
接近戦になり、リンゴは銃をホルダーにしまい、双剣を取り出すと、魔物の前に躍り出た。
リリー隊とバルナバ隊が態勢を立て直すまで時間を稼ぐ必要がある。
リンゴのスキル的には、銃より剣の方が圧倒的に強い。
エドモンドやセシィー、タニアも導師隊を守るように前に出て魔物と交戦した。
態勢を立て直したジェレマイアが、リンゴの側まで走り込み、魔物を次々となぎ倒していく。
ジェレマイア「無理するなよ!」
リンゴ「お父さんもね」
二人は余裕のある笑みを浮かべて、魔物に斬りかかった。
魔人や魔物との死闘を繰り広げ、魔人を倒しておえると、周りの魔物が遠くに逃げていった。
オレンジ色の太陽が地平線に沈もうとしていた。
みんな泥だらけで、魔銃師たちは光の玉の攻撃のせいで服がボロボロになっていた。
激しい戦闘で負傷者は多数出ていた。
バルナバ
「これより帰還する!まだ魔物がいるから撤退が完了するまで気を抜かないように!怪我をしていない者、軽い者は怪我をしている者に手を貸してやってくれ!」
バルナバの合図で、皆重い身体を引きづりながら撤退を開始した。
エドモンド
「導師、大丈夫ですか?肩貸しますよ」
辛そうなティアゴの腕をエドモンドは自分の肩に回して歩きだした。
ティアゴ
「ありがとうございます..」
普段仲の良くない間柄だが、ティアゴは大人しく肩を借りることにした。
エドモンド
「見事な采配でした。怪我したっていうのに余裕たっぷりだし..」
ティアゴ
「そんなことはありません..いっぱいいっぱいでした」
エドモンド
「リンゴさんにあんなことしてたのに?」
ニヤリと笑う。
ティアゴ
「あれは..混乱してました」
見られたことに気まずさをじわじわと感じてきたティアゴはエドモンドとは逆方向に顔を向けた。
そんなティアゴをエドモンドはニヤニヤと横目で見ている。
そんな話をしているとは思っていないリンゴが二人を追い抜いて、振り返った。
リンゴも服がボロボロだが、大きな怪我はなかった。
リンゴ「ティアゴ君、大丈夫?」
エドモンドに肩を借りて、辛そうにしているティアゴの顔をのぞきこんだ。
ティアゴ「大したことないよ」
リンゴ
「私のせいで怪我させちゃってごめん..」
ティアゴ
「同じ場所にいたんだからどっちにしろ結果はあんまり変わらなかった。だったら被害を少なくする選択しただけだよ。リンゴは気にしなくていい」
山岳兵団と騎士隊を敵に回した時も、気にしなくていいとティアゴは強がっていた。なぜ彼はこういう時は強がるのだろう。
リンゴ
「庇ってくれてありがとうございます」
丁寧にお礼をするとティアゴ僅かに目を見開きおじぎをするように頭をぺこりと下げてからリンゴを見た。
ティアゴ
「・・臣下として、当然のことをしたまでですよ。リンゴ様。ご無事でなによりです」
二人は柔らかい笑みを浮かべた。その横で
エドモンド(なんか居づらいんだけど..)
エドモンドは居心地悪そうに歩いていた。
あとがき
コナンの映画を日曜日観てきましたー♪
キッド様今回も素敵でした( ´艸`)
映画館で観るのはやっぱりいいですね♪
途中でトイレに行ったのですが小学生の男の子が「こっちですよ!」って親切に教えてくれて助かりました。映画の途中に行くトイレはどれだけ時間短縮できるかなので..