任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
リンゴはバーニーの勝利を見届けてから、夜までカルネ遺跡にこもった。
探索を終えてダンジョンを出ると、ティアゴが外で待っていた。
ティアゴ
「..酒場でもどう?一杯おごるから」
リンゴ
「...うん、お供します」
飲む気分ではなかったけど、ティアゴが気を遣って待ち構えて誘ってくれたことを考えると断るのも失礼だと思い、同行することに。
ーー酒場
お酒が運ばれてくると、ティアゴはリンゴに謝った。
ティアゴ
「昼間は申し訳なかった!まさかローデリックがあんなことを言い出すとは思わなって..
本当にごめん」
リンゴ
「・・・ティアゴ君が謝ることないよ。挨拶に行ったのは私の勝手だし、攻撃されたのも私の勝手?だし..」
リンゴは遠い目をした。
「あんなに直接的に嫌いオーラを放たれて、言われたのは生まれて初めてで凄くびっくりしたけど。」
苦笑しながらお酒を飲んだ。
ティアゴ
「・・・・あいつは変わってる奴だからあんまり気にしないで・・」
リンゴ
「昼間のことは、ティアゴ君が気にすることはないよ」
ティアゴ
「..俺がローデリックにふざけて説明したせいかな..まさかあんな風にリンゴに言うとは思ってなくて..」
リンゴ
「ティアゴ君のせいじゃないよ。」
(殿下の恋人なのに、おじさんキラーとか言われてて、ティアゴ君と仲良いなら、貞操意識の高い人たちにはそりゃ、嫌われるよね..)
リンゴ
「..いいの、みんなの言葉の代弁者がローデリックさんなんだよ..」
リンゴはがっくりと頭を垂れた。いいのといいながら、ショックは大きいみたいで涙声だった。
ティアゴ
(俺は悪口言われるのは慣れてるけどリンゴは免疫ないからな..)
「あいつはみんなの代弁者でもなんでもないって!ローデリックはおかしい奴なんだよ」
ローデリックが何故あんなことを言ったのかティアゴはさっぱり分からない様子だった。
エドモンド
「ティアゴさん?リンゴさんを泣かしたんですか?」
二人の席の前にエドモンドが立っていた。いつのまにか山岳兵団も別のテーブルで飲んでいて、バーニーやバーニスたちがティアゴを睨んでいた。
ティアゴ
「..誤解です..」
(マジで恨むぞ、ローデリック..)
リンゴ
「エドモンドさん。ティアゴ君は私を慰めてくれてるの。全ては、私の日頃の行いが悪いせいで..」
エドモンド
「リンゴさんの行いの悪さって?なにも悪いことしてないでしょう?」
と、ティアゴを見る。
ティアゴ
「俺も、そう思います..」
リンゴ
「わかる人には分かるんだと思う..」
ティアゴ
「本当にごめん、まさかローデリックに挨拶してくれただけで..申し訳ない..」
エドモンドは謝り続けるティアゴを珍しそうに見た。
リンゴ
「ティアゴ君は何も悪くないよー。私、帰ります..ティアゴ君、お酒ご馳走さまでした。」
ティアゴ
「え、もう帰るの?」
リンゴ
「ティアゴ君に迷惑かけちゃうし、エドモンドさんと飲んで」
ティアゴ
「迷惑じゃないし、なんでリンゴの代わりがエドモンドさんなんだよ..」
エドモンド
「俺も嫌だよ..」
二人の反応を無視して、リンゴはぺこりと頭を下げて酒場からさっていった。
エドモンド
「..俺がティアゴさんの相手するの?..」
ティアゴ
「...野郎と飲んでもな..」
☆カトリーンとティアゴとジェレマイア☆
酒場に残されたティアゴは、一杯だけエドモンドと飲むことにした。そこにXが入ってくる。当然の如く、Xはティアゴとエドモンドと合流した。
珍しく、元気のないティアゴにXは怪訝そうな様子でエドモンドを見た。
「色々あったみたいですよ」とエドモンドは曖昧に説明すると、「そう」といってXは酒を飲んだ。
X「そういえば、ティアゴ..今更だけど、カトリーンさんとはどうなの?」
ティアゴ「..どうって..」
X「ずっとリンゴちゃんを夜迎えにいったりして、さすがに奥さん、いい気しないわよね..私がそこをフォローしておくべきだったのに、当時はいっぱいいっぱいで忘れてたから..」
ティアゴ
「・・あぁ、問題ないです。実は、カトリーンには全て話してありました」
エドモンド「全て?」
ティアゴ
「毎日、成人したばかりの若い女の子を家まで送るんですよ。事前に説明しないと俺、毎日朝食がくさいスープかサラダになっちゃいますよ。カトリーンにはちゃんと口止めしておいたんでご心配なく」
エドモンド
「説明して納得してくれたんですか?」
ティアゴ
「多分。それに、リンゴはジェレマイアさんの娘さんだからカトリーンも分かってくれてるはずです」
X「・・どういうこと?」
ティアゴ
「カトリーンは、独身の時からジェレマイアさんのファンクラブの会員なんです」
*カトリーン、ティアゴが成人した時にはすでにリリーとジェレマイアは結婚して子供を授かっている。
エドモンド「ファン、、クラブ?」
ティアゴ
「多分、エドモンドさんにもあると思いますよ。エドモンドさん、モテるでしょう」
エドモンド「さあ..」
*みんなの、アイドルの性格の彼はよく人に囲まれている。
X「カトリーンさん、よくジェレマイアさんの近くににいるけど、そーゆーことなのね..ファンクラブがあったなんて」
ティアゴ
「リリーさんは、気づいてないと思いますよ。リリーさんはいつも忙しそうにしてるんで」
X「それでカトリーンさんはティアゴとリンゴちゃんが一緒にいても寛容なわけ?」
ティアゴ
「俺たち、そこまで一緒にいませんけど..禁断の遺跡は魔銃師会の連中しか行けないからそこに一緒に行ってって頼まれるぐらいですよ」
エドモンド
「さっき、カトリーンさんが独身時代からファンクラブに入ってるって言ってましたけどティアゴさんは最初から知ってたんですか?」
ティアゴ
「本人は隠してるつもりだったみたいですけど、カトリーン、おっちょこちょいでファンクラブカードを俺の前で落としたことがあるのでバレバレでしたよ..流石に知った時は衝撃で固まりました」
ティアゴが衝撃を受けた様子を想像して、エドモンドとXは笑った。
リンゴが酒場から帰る時、ヴェルンヘルが手に持っている指輪を見ながら、考え事をしている様子で帰っている姿を目撃した。
殿下が結婚を意識しているのが分かる。
いつプロポーズしようか悩んでる姿が可愛い。
でも気持ちが複雑だった。
1日でも長く、その日を伸ばそうと思ってしまった。
リリーは、ぼんやりとしているリンゴを見かけ、一緒に帰ろうと声をかけた。リンゴは虚ろな目で頷いた。
その日は夜から雨が降り出した。
冷たい雨が鎧を濡らした。
一気に気温が下がって、身体が寒さで震えた。
リリーは後ろにいた娘を振り返る。
雨に濡れることなんて気にしない様子で、リンゴは立ち止まって下を向いていた。
最近のリンゴはなにか変だった。
この子はなにかと色々考えすぎてしまう。行動的な性格のせいで動きすぎて考えすぎて悩んでしまうのかもしれない。
殿下とうまくいってないのかな?
リリー
「どうしたの、リンゴ。何かあった?」
母の問いかけに、リンゴは俯いて、スカートをぎゅっと掴んだ。
リンゴ
「お母さん、、
どうして」
ザァァァァァと雨が一層強く降りそそいだ。
リンゴから放たれた言葉にリリーは目を見開き、しばらく身動きすらできなかった。
二人を容赦なく冷たい雨が打ちつけた。
それは天からの、二人への小さな罰かもしれない。
どうして
好きな人は二人いちゃいけないの?
あとがき
3時までブログを書こうと思ったのに
なぜ、気づくと朝になっているんでしょう。
そしてブログは書き終わってはいなかった..
なにをしてたんだろう..
いつも誤字が多くてすみません..m(_ _)m
次は本編と同時くらいに人物紹介兼ねたパスワードの記事を出す予定です。予定です 大事なことなので二度書きました..